エミュレーションホール　EMULATION HALL

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カンタベリーのエミュレーションホールは、２階建ての煉瓦作りの建物で１９２７年ー２８年に施主フリーメイソンによって建てられた。エミュレーション１４１支部（Emulation Lodge）恒久的寺院として建設されフリーメイソンのメンバーと地域住民の活動の場として使われた。建築家は、ダンスタン・レイノルド（Dunstan Reynolds）事務所であった。メルボルンのエミュレーション支部は、１８８９年に設立されたが、ボックスヒル、カンタベリー、サリーヒルズの公民館などが使用されていた。エミュレーションホールの建物は、エミューレーション支部が財政支援する多くの各地区支部の寺院やクラブメンバーの集会所、式典式場、ダンス会場として使用された。

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エジプト風リバイバル様式（Egyptian Revival style）で設計されたエミュレーションホールは、大きな２階建て着色煉瓦作りの建物で、開口部は小さな窓を持ち、波型の鉄材製屋根があるが被覆で覆われている。左右対称の正面ファサードは、古代エジプトの塔門（Egyptian temple pylon）の形状をしており、左右にタワーの下方部分（battered towers）があり、中央部はすこし引っ込んでおり、下側はフレーム式の入り口部分になっている。縦溝彫りの, 溝付きの（Fluted）ごーじ・コーニシュ（gorge cornices：水平材の帯）が屋根部分、中央エントランス、両側の開口部を覆っている。

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シンボル的なエジプトのモチーフが正面ファサードを飾っている。中央の後退部分には巨大な昆虫スカラベのモチーフが飾ってあり、三つの花盤のモチーフが両側の張り出し（outstretched）部分にあり、屋根下のコーニッシュには、エジプトの蛇形章（ウラエイ：urae）又は聖なる蛇の紋章が飾ってある。エントランスの屋根付き部分には、後退した部分がには、鋳物製のゲートがあり、コンパスと定規がのフリーメーソンの印章がある。二重の材木性ドアと二番目のスカラブのモチーフもある。正面の両サイドの壁は、単純なデザインである。

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建物の1階にメインのホールがあり、２階には宿泊設備がある。両方ともに古代エジプト様式の模様で装飾されている。唐草（ palmette）、ハス（lotus）、パピルス状の型（lotus）、占星術（ astrological ）のシンボル、翼がある（winged）太陽版（solar disc）、ホルス神（Horus）の目などである。宿泊施設（ lodge room）の内部には、木製のベンチシートを持、持ち上げられた両側の床の間（プラットフォーム）、儀式用の家具、ガラス製と金属製のライトなどがある。
建物の後ろ側に１９５８年に新しい建物が加えられ、つなぎ目の部分に多少の変更が加えられたが、ほとんどは、建築当時のままで現存している。

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エミューレーション支部は、１９９０年代に解散し、スポンサーのひとつであったチャサム支部（Chatham Lodge）４５９号が寺院を買い取った。エミュレーションホールはビクトリア州では稀な古代エジプトリバイバル様式の傑作である。外装、内装にイシス神（Isis）、フィラエ神殿（Philae）、ホルス神（Horus）、エドフ神殿（Edfu）などの古代エジプト神殿のモチーフを厳密に再現している。エミュレーションホールは、フリーメイソンと古代エジプトが観念的（ ideological）につながっていることを表している。エミュレーションホールは、エミュレーションロッジ第１４１支部のビクトリアで最初の神殿建築物である。エミュレーションロッジ団体が１８２３年にイングランドで設立されて最初のロッジであった。１９３０年代に活動を停止している。

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