初期植民者住宅群は、ジョージコッピンによって設立された。コッピンは、俳優、劇場事業化、投資家であったが、成功して篤志社会奉仕家でもあった。1843年に英国からシドニーに到着した。コッピンは、数多くの慈善団体を設立した。老齢植民者協会(
Old Colonists' Association)、豪州俳優音楽協会(Australian Dramatic and Musical Associations)、ビクトリア人道慈善協会(Victorian
Humane Society)、ビクトリア・セントジョン救急車(St John's Ambulance in Victoria)。
初期植民者住宅群は、コッピンが寄付して建築されたブルーストーン製住宅を含み、コッピンの慈善奉仕家としての活動を証明するものであり、コッピンが初期植民者たちの開拓努力に報いようとするコッピンの決意を表している。
コッピン以外にも多くの著名なビクトリアの富裕層も寄付を行って初期植民者住宅群の建設に寄与している。老齢植民者協会は、ゴールドラッシュ期以前の植民者たちの存在や重要性を強調し、新しい時代も記録する。住宅群は、初期植民者の努力を現実に物語っている。初期植民者住宅群は、建築後140年以上に渡り、建築が続けられており、建築様式、材料の変遷を辿ることが出来る。ビクトリアの画趣に富む素晴らしい様式や独特のモチーフを楽しむことが出来る。ビクトリア又は豪州にある同様の慈善住宅の中で、最大規模であり、最も建築当時の様式を残したものである。小さな規模では、ジーロンのオースチン住宅群(Austin
Cottages in Geelong)やセントキルダロードにあるユダヤ人のモンテフォアホームズ( Jewish Montefiore Homes)がある。
初期植民者住宅群には多くの著名なビクトリアの建築家が関わっている。最初の石材作り住宅は、ジョージジョンソン(George Johnson)が設計している。ジョンソンは、カールトンのロイヤル展示会場付属ビルなど19世紀後半のメルボルンや他の豪州都市で建築物や劇場、オペラハウスに於いて多数の作品を残している。ジョセフ・クローク(Joseph
Crook)は、プラーン、ウィンザー、セントキルダ、マルバンで数多くの作品を設計しているが、植民者住宅群では、ジュビリー住宅(Jubilee
Cottages)、サマーホール(Sumner Hall)、介護人用住宅、その他の多くの建物を設計した。 ジョージ・ワートン(George Wharton)やジェームズ・ウッド(
James Wood)なども設計している。