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The Great Melbourne Telescope

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2008年10月16日(木)
巨大メルボルン望遠鏡
The Great Melbourne Telescope
天文台 Observatory
ロイヤル植物園 
Royal Botanical Garden
メルボルン Melbourne
この場所の地図 Google Map

今日は、今朝から素晴らしい春の日となりました。しかし気温は思ったほど上がらず、20度ほどで、少し肌寒い気温でした。

昨年の今日 2007年10月16日(ビクトリア バラックス

Canon EOS 40D シャッター速度 1/250 秒  絞り数値 F6.3 測光方式 評価測光 ISO感度 100 画質圧縮率 RAW

今日の為替レート
1A$=68.0円 

ロイヤルボタニックガーデンのビジターセンターの隣に、メルボルン天文台があります。かつてこの天文台には、世界最大の天体望遠鏡(The Great Melbourne Telescope)が設置されていました。メルボルンの初代天文台館長は、Robert Lewis John Ellery(1827-1908)です。英国イングランド生まれのロバートは、ロンドン郊外にあるグリニッジ天文台で1851年に設置されたばかりの最新式20cm屈折式天体望遠鏡に接していました。1852年12月にウィリアムズタウンに移民してきたロバートは、直ぐに天文台と報時球の設置を植民地政府に進言しました。当時のラトローブ総督は、すぐさま天文台と報時球の設置を決定し、1年以内にウィリアムズタウンに天文台が設置され、ロバートが初代天文台所長に選ばれました。
報時球 タイムボール参照

シドニーのタイムボール(Hanaさんブログ)

ニューカッスルのタイムボール 

 メルボルン天文台が、ウィリアムズタウンから現在のロイヤル植物園の敷地に建設されたのは、1862年です。天文台が移動したのは翌1863年です。メルボルンに移動したロバートは、巨大望遠鏡の設置に精力的に取り組みました。数年の議論を経て、48インチ(122cm)という当時の世界最大の望遠鏡を発注しました。
制作したのは、アイルランド、ダブリンのMr.Grubb, F.R.S.です。完成した望遠鏡は、英国のロイヤル科学協会(Royal Society)が検査を実施しています。

Robert Lewis John Ellery (豪州伝記集)

架台は、当時の世界最新鋭の赤道儀式としました。赤道儀とは、望遠鏡の中心軸が北極星に向かっていて地球の自転軸と平行にして、それに直交した赤緯軸の2軸で天体望遠鏡を駆動するシステムです。これにより簡単に夜空の星々を追尾することができる優れたシステムです。

 巨大望遠鏡は、グレートメルボルン天体望遠鏡と呼ばれ、1868年に設置されました。メルボルン天体望遠鏡は、1908年までの40年間、世界最大の望遠鏡でした。当時のメルボルンが如何に金持ち都市であったかが判ります。

1870年代には、巨大望遠鏡を含めて4台の天体望遠鏡を持ち、英国のグリニッジ天文台をしのぐ世界最大の天文台となったメルボルン天文台は、世界中の注目を集めました。

Chasing Venus

グリニッジ天文台

1874年には、金星の食(太陽と地球の間に金星が入って影ができる。)を利用して、世界中で観測して、その角度の差から地球と太陽の距離を観測するという世界的な天体行事に威力を発揮しました。

  英国は、グリニッジ天文台とメルボルン天文台の世界の反対側に設置された2か所の天文台を利用して天文学的な様々な計測を達成しました。

しかし残念ながら太平洋戦争の頃の不況と資金難により巨大望遠鏡を始めとして設備はメンテナンスされることなく朽ち果てていき、最後にはクズ鉄として売られて行きました。現在では建物以外には栄光の時代を偲ぶ遺品はあまり多くはありません。

The Great Melbourne Telescope

天文台 Observatory

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