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ステーション ピア Station Pier

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2013年7月28日(日)
ステーション ピア Station Pier
ポートメルボルン Port Melbourne
メルボルン Melbourne
この場所の地図 Google Map

ポートメルボルンにあるステーションピアはかつてオーストラリア最大の移民受け入れ桟橋として非常に重要な役割を持っていた。現在ではタスマニア号の母港として有名である。また時折やってくる大型豪華客船の寄港地としても名高い。

Canon EOS 40D シャッター速度 1/200 秒 絞り F9.0 太陽光 評価測光 ISO感度 100  画質圧縮率 RAW レンズ:EF24-70mm f/2.8L USM
撮影:2009年1月3日 板屋雅博


 ステーションピアは、当初はレイルウェイピア(鉄道桟橋)と呼ばれていたが、1854年9月12日に開設された。同時にフリンダース駅とステーションピアを結ぶオーストラリアで初めての鉄道路線が開設された。1850年のメルボルンの人口は3万人であったが、ビクトリア各地でゴールドラッシュが始まるとわずか数年で30万人の金目当ての移民がヨーロッパや中国から押し寄せた。この膨大な移民を受け入れる為に開設されたのが、レイルウェイピアであり、鉄道路線であった。
1900年代に入ると帆船に変わり蒸気船の時代になり、従来の桟橋では対応できなくなり新しい橋が必要になった。1922年から1930年にかけて建設されたもので、現在でもつかわれるオーストラリアで最大の木造建築物である。
大型クレーン(Stothert and Pitt)が1949年に設置された。初期に建設された桟橋は、現在の桟橋の下でサポートとして使われている。急増する多くの外航船や大型船を受け入れる為に1861年には、レイルウェイピアは、661mに拡張された。

豪州最初の蒸気機関車(メルボルン百景)

当初の桟橋には5本の鉄道線路が桟橋に引きこまれおり、旅客用は一番南側(サンドリッジ海岸側)でBay Excursion Platformと呼ばれていた。
桟橋が再建されてからは、支線は8本に増加し、4本づつが桟橋の両サイドに向かう構造になっていた。つまり片側に4船、合計8船からの乗客や貨物を同時に輸送することが可能であった。それだけ大量の人員や物資が欧州やアジアから輸入されていたことがわかる。
ステーションピアは、移民の受け入れ桟橋としてはオーストラリア最大であり、世界でも最大の桟橋である。旅客は桟橋構造の上部を通って上陸し、荷物は下部を通るように設計されているが1920年代にしては先進的な構造を持っている。
現在の桟橋は、全長933mであり、船長305m、喫水10.3mの大型船が着岸できる。

鉄道は、蒸気機関車が走っていたが、1919年にポートメルボルン駅まで電化され、その2年後の1921年にステーションピアの旅客桟橋Bay Excursion Platformまでが電化された。電車用の架線も旅客桟橋へと引きこまれた。 客車は、月曜から金曜まで1日2回の運行であった。しかしビクトリア鉄道局の財政難により1930年11月にステーションピアまでの運行を停止した。(ポートメルボルンまでは運行していた。)1933年5月22日からは海外からの客船が到着した際にのみ残橋まで運行した。1936年3月7日から1939年10月までテイト列車(Tait train)と呼ばれる片側スライドドア式で屋根を銀色、車体を青色に塗装した観光客用列車が導入された。テイト列車の名前が先頭車両の頭部に赤い色で描かれた。テイトの名前は、1903年から1910年までビクトリア鉄道局の局長を務めたSir Thomas James Taitに由来する。

ビクトリア鉄道 (メルボルン百景)

写真は、ウォーターフロント・ポートメルボルン・レストラン Waterfront Port Melbourne Restaurant

1934年にビクトリア植民地100周年記念橋(Victorian Centenary Bridge)が建設された。鉄道引き込み線によって海岸線道路が遮断さえた為に、線路をまたぐように橋をかけ、海岸線道路(ビーチロード)の通行を良くし、またステーションピアへの道路からのアクセスも改善した。ステーションピアへの架線の半分はは1937年に撤去され、残りも1950年1月に完全に撤去された。ポートメルボルンへの鉄道線路は1987年に廃止され、代わって軽鉄道(Light Rain)がトラム109線としてシティとポートメルボルンを結んでいる。
引き込み線が廃止された為に、ビクトリア植民地100周年記念橋も不必要となり1987年に解体された。現在も一部がモニュメントとして残っている。

サンドリッジトレイル遊歩道が、ポートメルボルン鉄道線に沿って設けてあり、シティから3kmの快適なサイクリング、散歩道として使える。
サンドリッジトレイル(Wikipedia)
Rail Trails Australia(公式web)

タスマニア号とサンドリッジ



 ステーションピアの沖から撮った画像。
 欧州からの数か月をかけて到着した帆船である。左側は船体が細長く高速のクリッパー船。

ポーリーウッドサイド(メルボルン百景) 参照


画像は、Walking Melbourneより

外輪船 石炭を燃料としボイラーで焚いて水蒸気でレシプロエンジンを動かし、その力で外輪を動かす方式。波に弱い弱点があり、外洋船としてはあまり普及しなかった。1870年頃か?

蒸気外輪船 Paddle Steamer(メルボルン百景)

 鉄道引き込み線線が5本入っているので改造前の初期の桟橋。外輪船ではなくスクリューを回るタイプ。蒸気レシプロエンジンを搭載したタイタニック号と同様タイプの外洋船。1910年頃と思われる。

前の画像と同じ

 桟橋を散歩する人々。メルボルンから列車で来られる手軽な観光地でもあった。

ステーションピアの隣のプリンセス

プリンセス桟橋

 Victorian Centenary Bridge

1934年開設
1987年廃止
1991年解体



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