2020年4月5日(日)
海水浴の時代
日豪プレス2020年5月号 No46
メルボルン Melbourne
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1850年代、大英帝国でロンドンに次ぐ第二の都市となったメルボルンだが、人口の大半はゴールドラッシュで急増した鉱山夫などの男性移民であり、犯罪者もまた激増した。39年設立のメルボルン監獄では対応できなくなった。ビクトリア植民地政府は、市内から9kmほど離れたコバークに1km四方の巨大なペントリッジ刑務所を建設した。
撮影データ Canon EOS 5D MarkU 絞り優先AE 評価測光 1/320 F9.0 ISO感度 100 太陽光 露出補正 JPG
レンズ EF 24-70mm f/2.8L USM 2016年1月16日15:47 板屋雅博撮影
英国ペントンヴィル刑務所をモデルとして、近代的な囚人の刑務所管理システムを持ち、1851年に最初の囚人が収容され、段階的に施設が追加建設された。メルボルン監獄を統合し、首都圏最大の拘留施設、収容刑務所となった。
コバーグ刑務所には3つのパノプティコン(Panopticon)全展望監視システムが設置された。中央部に監視センターを設置し、受刑者の部屋を扇状に展開するデザインで、フィンガーと呼ばれる囚人収容棟を少人数で監視する近代的なシステムである。
刑務所設計の開発や刑務所運営組織は、植民地政府の政策に沿って徐々に拡張された。70年のロイヤルコミッション(王立委員会)により、囚人への強化労働プログラムがコバーグ刑務所に導入され、刑務労働作業所が建設された。
刑務所は囚人の罪状ごとにA棟から10段階が振り分けられ、Aから進むごとに重い犯罪者が収容された。
木材貯蔵ヤード、木材加工工作所、大工作業所、金属加工ワークショップが79年に、紳士服テーラー、革靴ワークショップ作られ、労働用屋外ヤードがH区画の最厳格警備地区に設置された。
女性刑務所は、A区画に付属していたが、女性専用施設として新しい女性刑務所(D区画)が設置された。フェアリー女性刑務所がヤラベンドに1956年に建設されて、女性囚人は、コバーグから移転された。
少年少女の矯正施設としても使用され、既存施設F区画がジカ少年院として使用され、D区画にプロテスタント少女院が専用施設として新設された。
最重犯罪者用区画は、特別警備刑務所でVic州の最重罪で長期刑の受刑者を収容するものでジカジカ特別警備施設と呼ばれ、セキュリティの固さより「刑務所の中の刑務所、スーパーマックス」と呼ばれたが、83年に4人の囚人が脱獄した。
メルボルン監獄で処刑された36名の遺体は、コバーグ刑務所の墓所に移動された。旧メルボルン監獄で処刑された全ての囚人とコバーグ刑務所で処刑された9名の囚人が埋設されている。伝説のブッシュレンジャー、ネッドケリーは、メルボルン監獄で絞首刑に処せられた後、29年にコバーグ刑務所に移動して埋設されている。
豪州で最後に処刑されたロナルド・リャンは、67年にD区画で絞首刑に処されて、壁隣接地に埋葬されている。
vic州で死刑が廃止されるまでに、コバーグ刑務所では10名の囚人が絞首刑となった。95年4月、矯正委員会は、コバーグ刑務所を中級刑務所に降格し、6か所の監視タワーを廃止し、厳格監視囚人は、バーウォン刑務所に移動した。コバーグ刑務所は、97年に廃止され、土地と建物は売却され、近年中に再開発される。
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