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さよならケーシーストーナー Casey Stoner

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2012年10月25日(木)
さよならケーシーストーナー 
Casey Stoner
オーストラリアMoto GP観戦ガイド
フィリップアイランド Phillip Island
メルボルン Melbourne
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現在のモトGP世界チャンピオンでオーストラリア出身のケーシーストーナーが今シーズン限りでの引退を表明した。今週末のメルボルン、オーストラリアモトGPがオーストラリアのファンには最後の舞台となる。日豪プレス紙10月号の筆者の記事を載せる。

撮影データ Canon EOS 40D 絞り優先優先AE 評価測光 絞り 7.1 1/640秒 ISO感度200 露出補正 オート JPG レンズ EF 70-200mm f/2.8L /USM 撮影:板屋雅博 撮影2010年10月17日 


  2012年モトGPの第17戦オーストラリア・グランプリが10月28日、メルボルンの南にあるフィリップ島で開催される。地元オーストラリア出身の世界チャンピオン、ケーシー・ストーナーの最後の年になるなど話題が多いレースの見どころを紹介する。

昨年、2度目の年間世界チャンピオンに輝いたケーシー・ストーナーは、今年も中盤までは好調を保った。昨年は、オーストラリアGPを含め10勝350ポイントを挙げ、2位のホルヘ・ロレンソ(スペイン、ヤマハ)3勝260P、3位アンドレア・ドヴィツィオーゾ(イタリア、ホンダ)無勝228Pに大差で優勝した。3勝を挙げたダニ・ペドロサ(スペイン、ホンダ)は、レース中の転倒により4戦無得点がひびいて4位に終わった。





 
2012年のモトGPでは、ストーナー、ロレンソ、ペドロサの三強の戦いとなっている。
第2戦スペインGPをはじめストーナーは、4勝。第1戦カタールを含めてロレンソが6勝。出遅れたペドロサだが、7月のドイツGPから3勝し、上位に食い込んできた。9月16日の第13戦サンマリノGPまででは、ロレンソが1位270P、ペドロサが2位232P、ストーナーが3位186Pという順位となっている。

ストーナーは、第11戦インディアナポリスGP(アメリカ)の予選で転倒し、右足くるぶしのじん帯を損傷。決勝には参戦し4位の成績を収めたが、決勝レース後、外科手術を行った。このため次のチェコGPを欠場。9月中の復帰は、現在のところ厳しい状況である。10月の日本GPからの参戦が期待される。




 
今年10月に27歳になるNSW州出身のストーナーは2007年に当時17歳のアドリアーナと結婚、今年1月には長女アレッサンドラちゃんが誕生し、充実したレース生活を送っていた。しかし今年5月に2012年シーズンを最後に引退し2013年以降は参戦しない意向を発表した。レースに熱意を感じなくなったとしているが、度重なるレギュレーションの変更、スズキやカワサキの撤退、自身の健康問題などが重なった結果の決断と云われている。地元オーストラリアでの反響は大きく、「残念だが、ストーナーの決断を大事にしたい」など好意的な意見が多い。今年のフィリップアイランドでのレースがストーナーのオーストラリアのファンに見せる最後のレースとなる。ストーナーは、2007年からオーストラリアGPを5連勝中である。



 最後となる今年のレースでも優勝して有終の美を飾ってくれることだろう。F1グランプリでもマイケル・シューマッハ、キミ・ライコネンなど数年のブレークの後で復帰して活躍している選手もいる。いつかストーナーの雄姿を再び見られることを切に期待している。

今年のモトGPの見どころ。
今年からエンジン排気量がこれまでの800ccから1000cc4ストロークへと大きく増加した。最大排気量1000cc、最大4気筒、最大シリンダーボア81mmのエンジンが新しい規定である。
1000ccエンジンは、大きなパワーを生み出し、強烈な加速と直線での高速が魅力だ。
ストーナーのデータでは、カタールGPでは昨年の最高速が324km/h、今年は331km/h。スペインGPでは、昨年280km/hに対し今年は、285km/h。


 300kmを超える最高速は、実は4輪のF1グランプリとほとんど変わらない。
高性能エンジンを得意とするホンダやヤマハの日本勢には望むところだろう。
高速や、難しいコーナーリング、オーバーテイク時のバトルと観客にとってはよりレースの魅力が増す。
一方では、モトGPライダーには更に過酷なレーシング・コンディションとなる。
ぎりぎりの環境の中でのこのスピードアップは、たいへんな変化をレースに与える。より速いタイミングでブレーキをかけることが要求される。
大きなエンジンを積む訳だから重量も増加する。マシンによって違うが4-5kgは増える。燃料タンクは、昨年と同じ21L。燃費が気になるところだが、F1グランプリと違って、ガス欠せずに走りきれるためピットインは無い。




  日本人ライダーだが、昨年までは青山博が参戦したが、今年は残念ながらモトGPでの参戦は無い。モト2クラス(600ccエンジン)には中上貴晶、高橋祐紀、モト3クラス(250ccエンジン)には藤井謙汰が参戦している。レーシングテクニックでは、モトGPより難しいと云われるこのクラスの日本人ライダーを応援しよう。

*服装*
 観光地として名高いフィリップ島は、メルボルンから140km南にある。ペンギンツアーやコアラなどで暖かなイメージがあるが、咆哮する南緯40度と呼ばれるバス海峡から冷たく強い風が吹き付ける。警備員などを務める地元の人の服装は、完全な真冬用防寒具で身を包んでいる。雨が降ると会場周辺はかなりの悪路となるので冬用のレイン・ジャケットや長靴、また観戦時に会場で広げるビニール・シートなども準備しておくこと。

  晴天の場合は、もちろん日焼け止め、サングラス、帽子も忘れずに。
*交通*
 メルボルンからはシャトルバスが運行している。市内フェデレーション・スクエアからフリンダース通りをラッセル通り方面に行くとバス乗り場がある。運行時間は曜日によって違うが、決勝戦当日は朝6時45分と9時半の2便が運行している。料金は大人往復37ドルなど。
メルボルン空港から会場まで毎朝10時1便の直行バスも運行されている。料金は大人60ドルなど。
鉄道でシティのフリンダース駅、サザンクロス駅からストーニーポイントまで行って、フェリーボートでフィリップ島へ渡る方法もある。本数が限られているので遅れないこと。
片道$37など。


  *イベント*
 会場では各種イベントが行われるが、目玉はライダーたちによるサイン会。26・27日に行われ、ストーナーなど世界のトップ・ライダーの直筆サインが入手できる。朝8時15分から9時までに所定の場所に並んで整理券をもらうこと。
 決勝戦のある28日の午前中は、9時過ぎからスーパー・バイクレースやモトGPのウォームアップなどが行われる。
 午後12時25分からは、モトGPライダーのパレードがある。1時からはモト3クラス決勝レース(23周)、2時20分からはモト2クラス決勝レース(25周)と続き、4時からモトGP(27周)がスタートする。

 
 *フィリップ島や周辺の観光*
自然がふんだんに残されているフィリップ島やモーニントン半島、ギップスランドで、1−2泊して雄大な自然を楽しみたい。リトルペンギンのパレードは、周囲がまっ暗になった頃に始まる。コアラやアザラシの保護地なども近い。フィリップ島のホテルが取れない場合は、モーニントン半島がお勧め。オーストラリア最大の生垣迷路のアシュコムメイズや、断崖絶壁の絶景ケープシャンク、メルボルンっ子の避暑地フリンダースなどがお勧め。


 
■2012 AirAsia Australian Motorcycle Grand Prix
日程:10月26日(金)?28日(日)
会場:Phillip Island Grand Prix Circuit, Cowes VIC
料金:一般$45?、グランド・スタンド$285?、VIP$900?
Web: motogp.com.au

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