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 2015年11月11日(水）
中国人向け簡易旅館
Chinese Lodgings
リトルバーグ通り Littlg Bourke Street
メルボルン Melbourne
この場所の地図 Google Map
メルボルンの初期のゴールドラッシュ時期からチャイナタウンには数多くの中国人向けの旅館があった。現在、ふたつの小さな中華料理店となっている建物はかつて中国人互助会のシーユップ協会が中国人の為に作った簡易旅館であった。
撮影データ Canon EOS 5D シャッター速度優先AE 評価測光 絞りF20.0 1/80秒 ISO感度 100 露出補正 -1 オートJPG
レンズ EF 24-70 mm f/2.8L USM 2011年1月3日19:21:54 板屋雅博撮影
 中国人の旅籠
Chinese Lodgings
住所：15-17 及び16-18 Celestial Lane
建築家：Thomas Watts & Son
建築請負：McKenna & Robertson
建築年：１８９４年
施主：See Yup Benevolent Society
シーユップ協会
目的：中国人向け簡易旅館、中国人向け住居
階数：２階建て
１９００年代に入ると中華レストランとして使われていた。
15-17番地は左側のサパーイン（Supper Inn)、16-18番地は右側の喜旺快餐店（Heyday Hong Kong Cafe）
建築家のThomas Watts & Son事務所が通りを隔てた２軒の２階建て煉瓦作りの民家を１８９４年にデザインした。建築請負はMcKenna
& Robertson社。施主は中国人互助会のシーユップ協会のChong Keである。その後、 １８００年代後半から１９００年代に１６番地にはSuey
Gee Chongが所有し、１８番地はKong Chewが買った。両方とも６部屋を持つ煉瓦民家と記録されている。１６番地にはその後Ah Chinが所有したとの記録もある。
 建築家のThomas Wattsはメルボルンの中国人向けの作品はほとんど手掛けてなく、バプテスト教会、プレスビテリアン教会、アングリカン教会などの教会建築がほとんど。１９１３年から１４年のセントジャームズ教会のキング通りの現在地への移転作業にも参加している。メルボルン市内での最大の作品はスペンサー通りのSands & McDougall倉庫である。
Sands & Mcdougall's Warehouse
335 Spencer Street
セントジェームズ教会
 シーユップ協会は中国広東の４つの地方から出てきた人々の互助会であったがその後は中国人一般の互助会となった。。中国との送金、中国からの物資の輸入販売など多数の事業を手掛けた。ゴールドラッシュ時代に反中国的な雰囲気の中での互助会であった。
当時のリトルバーグ通りの中華街ではギャンブルや阿片などの麻薬がはびこっており、シーユップ協会は道徳を重んじて、服装や風習を西洋化させ、ギャンブルや麻薬と戦った。
シーユップ協会はメルボルンの英国系フレンドリーソサエティと同様に金融や葬儀など各種の会員サービスを行った。サウスメルボルンにシーユップ教会（See
Yup Temple）を建立するなど精神的な要望にも応えた。
シーユップ教会（See Yup Temple） onmydoorstep emelbourne
このふたつの建物もシーユップ協会の会員の要望に応えたものと思われる。シーユップ協会は中華街にいくつかの建物を保有している。193-95 and 124-6 Little Bourke Streetなど。.
シンプルなファサードをした２階建ての民家は欄干を持ち、道路の上に直接建設されており、煉瓦のいくつかはペンキで塗装され様々な看板がかかっている。
このため正面ファサードは大幅に変更されている。
ふたつの建物は近隣のリトルバーグ地区の建物と調和している。
チャイナタウンで中国人の為に１８００年代に建てられた貴重な建物である。
シーユップ協会は中華街で最も古い現存する互助会である。
 Celestial Laneの名前の由来だがかつて英国などヨーロッパの植民地で中国人はセレスティアルと呼ばれていたことによる。欧米が中国をCelestial
Empire(天朝帝国)と呼んだことによる。
Supper Inn メルボルン百景２００６年
Heyday Hong Kong Cafe
Celestial Lane（eMelbourne）
Flickr
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