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ウィンフィールドビル、Winfield Building

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2013年5月26日(日)
ウィンフィールドビル、Winfield Building
コリンズ通り Collins Street
メルボルン Melbourne
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メルボルンには数多くのゴシック建築があるがコリンズ通りの西端にゴシック建築群が最も有名である。東からオールダーフリートビル群、ウィンフィールドビル、リアルトビルと並んでいる。


撮影データ Canon EOS 30D 絞り優先AE 評価測光 1/200 F7.1 ISO感度 100 太陽光 露出補正 JPG レンズ EF-S17-85mm f/4-5.6 24-70mm USM
2009年12月1日13:52 板屋雅博撮影


ウィンフィールドビル、Winfield Building
建築当時の名前:Wool Exchange building
住所:487-495 コリンズ通り Collins Street
建築年:1891年  
建築家:チャールズ デブロー Charles D'Ebro & Richard Speight
建築時代:ビクトリアン
建築様式:Queen Anne
階層:5階
用途:事務所

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右側は、リアルトビルディング。設計はメルボルンの商業建築では天才と云われたウィリアム・ピット。


  建築当時は、羊毛交換所と呼ばれていた。ウィンフィールドビルと呼ばれたのは1920年代。施主はビール醸造所を経営するJ R Murphy。建築費の一部は、ビクトリア鉄道局の重役であり共同設計者であるRichard Speighの父が負担している。1892年から1894年までメルボルンの最初の合同羊毛交換所であった。内部にはメルボルンの全ての羊毛を取り扱競市場(オークションホール)があった。

ウィンフィールドビルの他のテナントは、メルボルン冷蔵バター会社、メルボルン冷蔵倉庫会社などが奥の部分に入居していた。コリンズ通り側の1階には、2軒の小売店が入居し、上部階は、事務所が入居していた。1800年代、羊毛はメルボルンやビクトリア州の主要な輸出品目であった大量の羊毛が英国へ運ばれた。羊毛は軽いので、バラストとしてブルーストーンも一緒に輸出されていた。ビクトリア州全体から集められた羊毛は、メルボルンとジーロン(Geelong)から出荷された。
ウィンフィールドビルは4階建てで1階には2軒の商店が入居し、2階から上部は事務所が入居するように設計された。

 ウィンフィールドビルは、西隣のリアルトビル(ウィリアムピット設計)の翌年の1891年に完成。設計者のチャールズデブローは、リアルトビルを強く意識しながら、ビルの高さ、色合い、デザインなど調和を図って設計している。このころ全盛期を迎えて、メルボルン市内に次々と傑作建築を作っていったウィリアムピットへの対抗心も強く出ている設計。
ゴシック様式を得意とするウィリアムピットに対して、チャールズデブローは、優雅なクイーンアン様式で対抗している。英国のRichard Norman Shaw の影響が見られる。

1920年代になり、羊毛は輸出の主役から脇役へと変わり、このビルのオーナーもそして名前も変変わった。コリンズ通りに面した正面のファサードは、建築当時と変わらない。ビクトリア産のブルーストーンの台座の上に、レンガが構造材として使われ、セメントで表面化粧が施されている。
最上階(屋根階)の急傾斜の三角形をしたフランダース様式の切り妻壁(Pediment, Gable)や、窓枠が深い厚みを持つ窓、円錐状をしたタワーの下の円形子部屋、縞模様をいれたレンガ壁のセメント化粧、窓への多様な装飾などはクイーンアンスタイルの特徴。屋根窓と鋳物の縁取り装飾なども芸術的な屋根ラインを彩っている。

 ウィンフィールドビルの後ろ側は、1984年に取り壊されて14階建のビルがホテルの再開発の一環として建設された。

ウィンフィールドビルは、メルボルンのクインアン様式の建築物の中で最も優れたものと云われている。ビクトリア州の1890年代の建築物では多くの作品が残っている。ウィンフィールドビルはチャールズデブローの代表的な作品のひとつ。

Onmdoorstep

チャールズデブロー(Charles D'Ebro 1850-1920)は、英国ロンドンに生まれ、メルボルンで数多くの建築物を設計した。1881年から1885年にはプリンセス橋の設計者であるJohn Graingerとパートナーとして設計をしている。


プラーンタウンホール 1861年
ジョージズ デパートメント 1884年
プラーン市場正面ファサード 1891年
リッチモンド発電所 1891年
スコティッシュハウス 1907年


 右側の後ろは、リアルトビルディング





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