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ジュリア・ギラード豪州首相

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2012年3月4日(日)
ジュリア・ギラード Julia Gillard
豪州連邦政府首相 労働党党首
Prime Minister of Australia
Federation Square
メルボルン Melbourne
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第27代オーストラリア首相ジュリア・ギラード。豪州史上初の女性宰相。美貌と政治手腕で、英国本国のマーガレット・サッチャー元首相にならい鉄の女(the Australian Iron Lady)と呼ばれることも。

撮影データ Canon EOS 1DMarkV 絞り優先AE スポット測光 絞りF4.0  1/200秒 ISO感度 200 露出補正 AWB JPG レンズ EF 70-200mm f/2.8L USM
2010年12月13日板屋雅博 撮影


 豪州の政党は、現政権党の労働党(ジュリア・ギラード党首)と保守党(トニー・アボット党首)の二大政党による対峙が基本構図。労働党と保守党は、本来はまったく違う立場を取る。しかし豪州の場合、両党ともに豪州がおかれた政治、経済の現状を認識し、現実的な政策を実行する。従ってリベラルなオージーから見れば常に現政権は飽き足らずに、支持率は下がる。特に労働党の政策は、より理想を追うため、政治、経済の実態では対応が甘くなり、政権成立時は人気は高くとも、実績が伴わずに理想と現実の差のために支持率が下がる。2007年に成立したケビン・ラッド前政権は、史上最高レベルの支持率であったが、2010年には大きく支持率を下げた。2010年6月24日に劇的な政変によりジュリア・ギラード政権が成立した。

 2010年の政権奪取後、50%台の支持率を保ったが、ギラード政権も成立後2年が経過した現在では、保守連合が55%前後、労働党は45%前後と、徐々に低下し、次期総選挙では、保守党連合に勝てないとの不満が労働党議員から高まっていた。今回の政変劇は、ケビン・ラッド外相の辞任で始まった。2012年2月16日からメキシコ・ロスカボスで行われた20カ国(G20)外相会議に出席したラッド外相は、その後の2月22日、訪問先のアメリカ・ワシントンで、外務大臣の辞任を表明した。この半年ほど、炭素税問題、アボリジニ先住民問題などで、いくつかの政治課題に対して、ギラード首相の政治手腕にラッド外相や有力議員から、不満の声があった。ラッド外相を更迭する計画が報道され、ラッド外相が先手を打って、辞任したもの。これに対してギラード首相は、2月27日に労働党党首選挙を発表した。 豪州の現首相と前首相の確執は、同じ労働党の内部抗争であるだけに、豪州全土を揺り動かし、世界からも注目を集めた。

 2月27日に実施された豪州労働党党首選挙は、ギラード首相が、71対31の大差でラッド前首相を破って、党首に再選された。ギラード首相は、今回の党首選挙には勝ったが、政局の厳しいかじ取りを迫られている。このまま支持率が低迷した場合、次期総選挙では保守連合に敗れる可能性が高い。オーストラリアは、この15年ほど、リーマンショックなどの世界経済が低迷する中で、奇跡的に好調な経済を維持している。しかし、インドネシアや中近東・アジアからの違法移民ボートピープル、炭素税、アボリジニ原住民、旱魃・洪水・ブッシュファイアなどの天災、急増する人口、アフガン派兵など多くの問題をかかえている。ラッド政権が誕生する前は、ジョン・ハワードが、10年間、保守党政権を保った。現在のオーストラリアの反映は、この時代に築かれたもの。ハワード保守党政権時代の繁栄を懐かしむ民衆の声も大きくなっている。

  オーストラリアは、比較的平和な環境にある。しかし中国がアジアへ政治的、軍事的に圧力を増している。昨年11月、米国オバマ大統領が豪州を訪問し、ダーウィンに米国海兵隊2500名を常駐させる軍事基地の建設を発表した。豪州は、米国と共同してアジアの軍事問題に関与する姿勢を示した。経済においては、豪州西海岸、北海岸における石油、LNGの開発、オリンピック鉱山など、資源開発に更に力を入れる。ボートピープルについては、厳しい態度で挑む。などが争点となる。
保守党が政権を奪取するにせよ、労働党が守るにせよ、実際の政策においては、大きな差はない。

ジュリア・ギラード副首相 

第27代オーストラリア首相

ケビンラッド豪州首相

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