シティ案内

今日の一枚へ

アンザックデー2008

バグパイプ楽団

メルボルン百景トップ

2008年4月25日(金)
バグパイプ楽団 アンザックデー2008
ANZAC DAY プリンセス橋 Princes Bridge
メルボルン Melbourne
この場所の地図Google Map 

天気予報では曇りとなっていましが、イベントの日には、快晴となるジンクスの通りに今朝のメルボルンは晴れ渡りました。気温も25度と汗ばむほどに上がりました。
パレードの終了と同時に午後は曇ってきました。

昨年の今日2007年4月25日(アンザックデーANZAC DAY

パレードは、スワンストン通り、プリンセス橋、セントキルダ通りを通って、戦争記念館まで行進します。


 アンザックデーは、第一次世界大戦の際に、連合軍側に参加した豪州NZ軍がトルコのガリポリの戦いの際に、2000名以上の死者を出した戦闘を記念しています。それだけでなく、豪州がこれまで参加してきた全ての戦争での戦死者や参加者を記念する戦争記念日でもあります。

オーストラリアの独立以前は、6つの植民地と、ニュージーランドの合計7つの植民地が、英国本国と直接につながっていて、植民地間の横の政治的なつながりは、ほとんどありませんでした。
現在でもそれぞれの州がかなりの権限を持っています。
豪州は、過去、英国、米国が参戦する国際的な戦争にはほとんど参加しています。
戦争は、州単位ではなく豪州統一軍として戦います。
海外での戦闘行為を通じて、豪州がひとつの国にまとまってきたのが実態です。

 1月26日のオーストラリアデーは、シドニーに英国から最初の移民団が入植したことを記念する日です。しかしこれは英国の軍隊が囚人を連れてきた日であって、建国の日と呼べるようなものではありません。
その後も各州の植民は、ほぼ各州の事情で異なっています。シドニーを拠点にして植民が進められた訳ではありません。
したがってオーストラリアデーを建国記念日と心に感じる豪州人はほとんどいないと思います。
一方で、アンザックデーは、過去、統一豪州として海外で多くの戦死者を出してきており、どこの州の人も共通の強い意識があります。またヨーロッパ、アジア、アフリカ、中近東の移民の人々もまた豪州軍に参加しており、立派な豪州人であると胸を張って行進しています。
これ以上に豪州市民であることを意識する日は他にありません。


 女子高校生バクパイプ楽団

すなわち、アンザックデーこそが真の建国記念日なのです。
豪州は、世界中からの移民の国ではありますが、一方で豪州軍は、女王陛下の軍隊です。英国、米国が参戦する戦争には、これまでもほとんど参加してきており、またこれからも積極的に参加すると思われます。
オーストラリアデーの各民族のパレードは、、参加各国を代表するものです。
しかし今日の各民族のパレードは、自分が所属した民族の意思とは別に、豪州人として豪州軍に参加するという意思を表しています。
祝日やパレードは、各州でバラバラですが、このアンザックデーだけは全オーストラリアで統一して祝典が行われます。


 いつもはリラックスしたメルボルンですが、アンザックデーだけは、緊張感があります。実際に豪州軍(OB)の指導官がパレード中の参加者に歩き方などの指導をしていました。普段ではまず目にしない光景です。パレードでは、過去、豪州が参加した全ての戦いの参加軍団、部隊がパレードします。メンバーがひとりも残っていない部隊は、高校生がプラカードのみを持って行進します。過去の全ての戦いを振り返ることにより、豪州がこれまでたどってきた歴史を振り返り、またこれからの豪州が進む道をまた明快に示しています。豪州は、いかなる犠牲を払っても自分たちの国と平和を自分たちで守ることを示しています。

このページのトップへ

inserted by FC2 system