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ティーハウス The Robur Tea Building

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2013年9月12日(木)
ティーハウス
The Robur Tea Building
クラレンドン通り Clarendon Street
メルボルン Melbourne
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ティーハウスはメルボルンの黄金期に建設されたが、当時最新の技術を駆使して作られたハイテクビルであった。サウスメルボルンの軟弱な泥地に高層建築物を建てる難題に挑んだ技術者たちの傑作建築である。クラウンカジノ、メルボルン展示会場、高層アパート群に囲まれながら独特の風貌を守っている。

撮影データ Canon EOS 5D 絞り優先AE 評価測光 絞り 9.0 160/秒 ISO感度 100 露出補正 太陽光 JPG レンズ EF 24-70mm f/2.8L /USM 撮影:板屋雅博 撮影2011年1月2日17:20


  The Robur Tea Building(通称ティーハウス)は、かつてのこの事務所ビルのテナントの名前。1887年から1888年のメルボルン建築史の黄金期に文房具製造業のFergus and Mitchel社の倉庫として建てられてたもの。設計は、ナーハム・バーネット、構造計算技術者はジョン・ガーディナー、建築請負はジェームス・ムーア。途中にクリーム色のレンガを挟んで、高耐荷重性赤レンガを使用した6階建ての建築物。木製の床は、鋳物の柱と鋼鉄製のはりで支えられている。建物は、シンプルな箱型の形状をしており、東側(道路側)の正面ファサードは中央にエントランスを持ち最上部の2階は、アーチ式バルコニーが配置されている。
ティーハウスは、シティー以外では最も高い高層建築物のひとつであり、サウスメルボルンのランドマークであり名物であった。倉庫らしいシンプルな構造だが東側ファサードには控えめだが力強いデコレーションが施されている。

 ティーハウスは、いくつかの革新的な技術の採用により科学的技術的に重要な建物である。最も重要な点は、軟弱な基礎の克服であった。建物は、サウスメルボルンの沼地に建てられた。施主への多くの技術者の意見は、巨大なビルは、建設不能というものであった。構造技術者のジョン・ガーディナーは、6階建てのビルを支持するため450本ものユーカリの材木とコンクリートの柱を使った。.このような大胆な構造は、その後、第二次大戦後までされなかった為、1900年前後でオーストラリアで残っている唯一の実施例である。もうひとつの革新技術は、鋼鉄製のビーム(はり)の使用である。これもオーストラリアでは最も早い使用例である。そもそもスチール(鋼鉄)は豪州では生産されず、プリンセス橋などの貴重な資材として英国、米国から輸入されたものであり貴重かつ高価であった。ジョン・ガーディナーや同僚技術者は、プリンセス橋、セール(Sale)ラトローブ橋、メルボルン・タウンホール事務所棟、エリザベスハウス、コリンズハウス、イーストメルボルンのCliveden Mansionsなどの建設に関わっている。

 Robur Tea Building 通称ティーハウス (Tea Houseの文字あり)
住所:28 CLARENDON STREET
VHR:H0526
建築:1887−1888年
施主:Fergus and Mitchell 文房具製造業
建築家:Nahum Barnet 
構造: John Grainger
建設:James Moore

ナーハム・バーネット (メルボルン百景)

ビクトリア州遺産


  サウスメルボルンやサウスバンク地区は、1970年代頃まで軽工場に代表される産業地区であったが、ティーハウスはその残り少ない実例である。この地区はもともと沼地であり人々の住宅としては適さない場所であった。現在は、高級住宅地やクラウンなどのレジャー地区になっている。Robur Tea Buildingはいつの頃か、ティーハウスと呼ばれるようになったが、最初は文房具の工場でった。メルボルンの中心部に残る製造工場跡としても貴重である。建物はその後、紅茶倉庫としても使われたが、これはヤラ川岸壁地区として輸入品の倉庫としても使われたことを表している。

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