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建築1930-39

アールデコ

リトルコリンズ通

ユールハウス Yule House

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2016年2月6日(土)
ユールハウス
Yule House
リトルコリンズ通り
スワンストン通りとエリザベス通りの間
メルボルン Melbourne
この場所の地図 Google Map

フリンダース駅からエリザベス通りに沿ってリトルコリンズ通りを右に入るとする左側にユールハウスがある。アールデコの一種であるストリームライン・モダン様式の初期傑作建築で、1930年代後半にはこの様式が流行する。

撮影データ Canon EOS 5DMarkU 絞り優先AE 評価測光 絞りF9.0 1/250秒 ISO感度 100 露出補正 オート JPG レンズ EF 24−70mm f/2.8L USM
2016年1月16日15:26 板屋雅博 撮影

  ユールハウス Yule House
住所:309-311 Little Collins Street,
階数:5階建て
建築年:1932年
建築期:両大戦期 Interwar
建築事務所:Oakley and Parkes
建築様式:アールデコ 
ストリームライン・モダンStreamline Moderne style
1930年代に流行した最初の建物
施主:ウィリアムユール William Yule

左奥は120コリンズタワー
120 Collins (244m)

Yule House Wikipedia

Art Deco Buildings

 この場所は1900年代初頭からメルボルンの富裕なビジネスマン、ウィリアムユールが所有しており、自宅があった。1931年に火災で焼失したために、知人であった建築家パーシーオークレー(Percy Oakley)が近代的な耐火構造の建物を建築した。ウィリアムユールの要望により最新の建築材料とデザイン様式が採用された。
ユールハウスは不況の時期に建設された。景気は建築物のデザインに大きな影響を及ぼすとパージ―は話している。パーシーの事務所のパートナーは Stanley Parkesであり、助手には若い Rae Featherstoneがいた。
ユールハウスは、モダンスタイル様式で設計された最初の建物であり、1930年代後半にはメルボルンシティの商業建築物でかなり流行した。



 ユールハウスは、一階部分に店舗を入居させ、2階部には作業ルームにする目的であった。窓の広さを最大限にして太陽光をふんだんに取り入れる設計となっている。
各階の室内には支柱が無く室内が広く使用できる。また結果として各フロアのテナントは1社で使用されている。1985年までウィリアムユールの会社が保有していた。

ユールハウスは、小規模の5階建て強化コンクリート製、ストリームライン・モダン様式の事務所ビルであった。リトルコリンズ通り側の正面ファサードはオーストラリアのWunderlich社製の明るい色調のファイアンス彩釉タイルで表装されている。
表面ファサードは、各階は窓と窓の間で建物構造部から浮き出した水平方向に帯状のスパンドルで分離されている。ストリームラインモダン様式の特徴を表している。
各階の窓は鉄製の複合的な枠ではめられている。



 サンセリフ書体のエリックギルスタイルでユールハウスYULE HOUSEの文字がエントランスの上部に水平金属プレートに記されている。また2階のスパンドルの上部にはリトルコリンズ通りのストリート番号が取り付けられている。1932年の文字は最上部のスパンドルに記されている。
1階の左右には2店舗が入居しており、中央部はエントランスになっている。




 ユールハウスはメルボルンの商業ビルにおける最初のストリームライン・モダン様式の建物であり、過去の伝統的な建築様式はまったく踏襲されていないhが、1900年代初頭に流行したヨーロッパのいくつかの様式は参考にしている。

2009年にユールハウスはビクトリア州遺産のアールデコ、モダニズム作品賞にノミネートされ、2010年に表彰されている。

メルボルンのアールデコ建築一覧(The Age)

Art Deco & Modernism Society (ユールハウス)

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