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南部(コリンズからプリンセス橋)

ニコラスビル Nicholas Building

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2012年11月3日(土)
ニコラスビル
Nicholas Building
スワンストン通り
Swanston Street
この場所の地図 Google Map

スワンストン通りとフリンダースレーンの交差点に威風堂々とした建物がニコラスビル。スワンストン通りを代表する建物でアールデコの時代の代表的な作品である。スワンストン通りを歩くとすぐに判る建物であり、じっくりと見てみたい。メルボルンの産業のひとつであった繊維会社が入居しており、現在ではファッション関係が多いビルである。
一階にあるカテドラルアーケードは、メルボルンでは最古のガラス天井を持つ最古のアーケード街。


   建築年:1925年‐1926年   
場所:21−47 Swanston Street 
フリンダースレーンの角
設計:ハリーノリス Harry Norris 
建築時代:両大戦中間期 Interwar
建築様式:宮殿様式(Palazzo Style)
階層;11階
登録:ビクトリア州遺産 Victorian Heritage Register

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 ビクトリア州遺産 VHRH2119

スワンストン通 コリンズ通−フリンダース通



 ニコラスビルは、メルボルン市内に残る商業宮殿様式(Commercial Palazzo)の最大の建物。
スワンストン通りとフリンダースレーンに渡る敷地面積も広く建物の基壇部分も巨大。
巨大な柱、簡易バルコニーや、シカゴ派の影響を強く受けている。
正面のファサードには、セラミックの装飾が施してある。
1920年代は、アメリカの景気が飛躍的に伸びた時期で、メルボルンも好景気であった。アールデコの作品が多く残されており多くの商業ビルが建築されている。

  この時期は、第一次及び第二次大戦の中間期にあたるInter-war期。
建築様式は、ボーアーツ(Beaux-Arts)、シカゴ派スタイルで、当時のオフィスビルの流行を取り入れている。
建築当時は、市当局により市内中心部の建物の高さに制限があり、8階建てであったのが、1939年に増築されて11階建てとなっている。
シカゴ派(Chicagosque)は、1880年から1900年にアメリカシカゴで流行した建築様式で、主に商業ビルで活躍したアールーデコの一種。ニコラスビルにはその特色が良く出ている傑作建築である。

   ニコラスの名前は、施主(ビルのオーナー)のアルフレッド・ニコラス(Alfred Nicholas)から来ている。
アルフレッド・ニコラスは、第一次世界大戦中に、対戦国のドイツから鎮痛薬のアスピリンが輸入できなくなり、また戦時下では対戦国の特許、商標も権利が停止されることに注目して、アスピリンの製造を開始した。
製造には困難があったものの、最終的には純度の高いアスピリンを製造し販売。
戦後は、アスプロ(Aspro)の名前で販売を継続。
巨額の利益を手にしたアルフレッド・ニコラスは多くの社会貢献をメルボルンに行っている。

  カテドラルアーケード 
スワンストン通りからフリンダースレーンへ抜けている。建築当時は、斬新であったレターシステムが採用されている。上層部からガラス製のシューターで1階まで投函する方式。(現在は使用されていない。)カテドラルアーケードは、ニコラスビルの1階にある。
カテドラルの名前は、スワンストン通りの向かい側にセントポール大聖堂(St Paul Cathedral)に由来している。
左側のエレベーターには、建築当時、エレベーターレディが乗って操作していた。
天井のアーチ式ガラス製照明はメルボルンで現存する唯一のもの。
1920年代のモダン建築を象徴するビル。

ニコラスアーケード  

ルート66

   ハリーノリスは、1920年代Interwar (両大戦期)を中心に活躍したメルボルンの建築家。
主な作品
Nicholas Building 1925
Deva House 1926
Majorca Building 1928
Coles Store No 2 1929
Mitchell House 1936
Carlow House 1939


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