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クイーン通り

オーストラリアンカトリック保険ビル

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2012年9月02日(木)
オーストラリアンカトリック保険ビル
Australian Cathoric Assurance (ACA)
クイーン通り Queen Street
メルボルン Melbourne
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クイーン通りには、アールデコ様式の建築物がたくさん残っている。第一次大戦、第二次大戦の時期には、不安な世相を反映してオーストラリア全体でたくさんの保険会社ビルが建設された。このビルもそのひとつ。まだカトリックの影響が強い時代で、教会も保険業や金融業を営んでいた。

撮影データ Canon EOS 5D シャッター速度優先AE 評価測光 絞りF16.0 1/80秒 ISO感度 100 露出補正 オート JPG レンズ EF 24-70 mm f/2.8L USM
2011年1月03日 板屋雅博 撮影


  オーストラリアンカトリック保険ビル
Australian Cathoric Assurance (ACA)
住所:112-118-126 Queen Street
建築:1937年
建築期:両大戦期 Interwar
建築家:Hennessy Hennessy & Co
建築様式:モダンゴシック アールデコ

アールデコ期の摩天楼建築
マンチェスターユニティー(1932年)

旧警察本部ビル(1940−1943年)

Hennessy Hennessy & Co

VHR ナンバー:B6191

 建築事務所のHennessy Hennessy & Coは、父(1853年生)のJohn Francis (Jack) Hennessyと同じ名前の息子(1887年生、1955年没)John Francis (Jack) Hennessyジュニアによって1912年にシドニーで設立された。
父のJFヘネシーは、1853年、アイルランド生まれ。英国で建築家として訓練を積み、スペイン、ニューヨークなどでも建築家として働いた後、1880年にシドニーに移民してきた。1880年代からたくさんの作品をシドニーに残している。JFヘネシーは、敬虔なカトリック信者であり、カトリックの大司教の友人でもあり、たくさんのカトリック教会を設計している。建築様式は、ネオ・ゴシック、ロマネスクを主に使っている。代表作は、マンリーのセントパトリックカレッジ。St Joseph's College, Hunters Hill (1884-94), St Vincent's College, Potts Point (1886), the Cathedral of St Mary and St Joseph, Armidale (1910-11),

豪州伝記 Australian Biography

 この建物が建築された当時は、132ftの高さ制限があったが、その制限以上の高さがある。
保険会社向けの作品
Colonial Mutual Life Building シドニー、ブリスベン、アデレード、ダーバン(南豪州)、ポートリンカーン(南豪州)

建物の表面は、ベネディクト・ストーン製の化粧されている。ベネディクト・ストーンは、素焼きの陶器。ベネディクトの名前は、1920年のローマ法王ベネディクト15世に由来する。
ベネディクトストーンは、カトリック教会の建築の為に設立されたブリスベンのベネディクトストーン社の製品。ブリスベンカトリック教会の大司教James Duhig の肝いりで設立された会社である。
カトリック教会組織が全豪で連携していたことが理解できる。

 1920年代から1930年代にかけて、世界大戦前の不安な世相を反映して、たくさんの保険会社がオーストラリア中に建設された。その多くが力強いアールデコ、ネオゴシック様式を採用している。

T&G ビルディング タスマニアホバート

T&G ビルディング メルボルン

JFヘネシー父は、シドニー建築家協会会長を1911-12 に努め、シドニー大学で教鞭を取っている。

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1950年頃のクイーン通り。
中央左の高い建物が
オーストラリアンカトリック保険ビル

Walking Melbourneより

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