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ロックアード Loch Ard

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2007年1月2日(火)今日の一枚へ戻る
ロックアード Loch Ard
グレートオーシャンロード
Great Ocean Road
ビクトリア州 Victora
Melway 626−G9

メルボルンでは祝日は元旦のみなので、今日からは通常に戻ります。
しかし多くの人はまだ休暇中なので、道路も街もまだ閑散としています。
今日の最高気温は、29度ほどですが、湿度がかなり高くなってきました。

マトン鳥島 Mutton Bird Island
ロックアード号が沈没した場所です。



Loch Ard は、12使徒(Twelve Apostles)に続いて、グレートオーシャンロードの中では、2番目の見せ場と言えます。
12使徒から5kmほどポートキャンベル(Port Campbell)よりにあります。
ポートキャンベルは、更に西へ10kmほどです。

石灰岩(limestone)で出来た切り立った岩礁群が海岸線に並んでいる様子は見事です。侵食されやすいとはいうものの、大きく変化するには数千年はかかります。
この一帯も、ポートキャンベル州立公園の中です。

地図:公式webより




ロックアードゴージ Loch Ard Gorge
ロックアードは、船の名前です。
ゴージ(Gorge)とは、峡谷を意味しており、切り立った断崖絶壁にかすかに開いた場所を意味しています。このゴージで奇跡が起きたのです。

ロックアード号は、豪州とイギリス本国を往復する大手の海上輸送船会社ロックライン(Loch Line)所属の3本マストの新鋭クリッパー船です。1873年建造にイギリス、グラスゴー(Glasgow)のBarclay, Curdle & Coで建造されました。全長263フィート、横幅38フィーと1693トンの当時のクリッパー船の標準的な船型です。1フィートは30cm。
有名な咸臨丸は、1860年オランダ建造、木製、3本マストスクーナー型船です。次の世代に属するクリッパー型の特徴は、スピードにあります。蒸気機関は搭載せず、細身の船体に大型のセールを持っています。従来は4ヶ月かかっていたイギリス−豪州間を快速クリッパー船ではわずか2ヶ月で到着できたのです。


これもゴールドラッシュで沸く豪州へ如何に早く到達できるかがポイントです。当時、活況を呈するアメリカ合衆国(1776年独立)、南米、アジアなど、イギリス本国と植民地の間で活躍しました。

ロックアード号は、メルボルンを目的地に1878年3月2日にイギリスを出発しました。29歳の若い新婚のギブス船長(Captain Gibbs)と船員17名、乗客37名です。
乗客は、7家族から成るアイルランドからの移民です。他国の移民が男性の単身が多いのに比べて、アイルランド移民は、家族での移民が多いのがここにも現れています。(アイルランド移民参照)

5月31日に豪州大陸へ到着(接近)を祝って祝賀パーティが開かれました。その夜、深い霧の中、ギブス船長は、大きな判断ミスをしていました。


本来であえば、ケープオトウェイ(Cape Otway)の灯台(1848年建造、豪州で2番目に出来た灯台で、現在活躍中の灯台としては豪州で最古。)が船の左手前方50kmに見えているハズでした。 しかし深い霧の中、天測も出来ず、経験に頼るしかありませんでした。 天測とは六分儀で北極星の位置を測ることにより現在の緯度を測る方法です。 古代中国で発明された航海道具です。現在でも大型船には装備しています。 翌6月1日午前4時、薄明の中、陸地及び岩礁に異常に接近しているのが判りました。 場所は、トップページにあるマトン鳥島です。 ギブス船長は、緊急離脱のために、セイルアップを命じました。 しかし当時の船は簡単にセールアップは出来ません。 船長は更に大きなミスを命じています。荒波に対して船を安定させる為に、アンカーをうたせたのです。 荒波でシーアンカーを打つのは、船乗りの常套手段です。しかし場所が浅すぎて、実際に暗礁にアンカーが食い込んだのです。 こうなると船は、ひとたまりもありません。暗礁に乗り上げ、船は横転し、わずか15分ほどで完全に沈没しました。


どこまでも続くグレートオーシャンロードの海岸

こうしてほとんどの乗員乗客は荒波に沈んでいったのです。しかし奇跡的にも二人が助かっています。ひとりは乗員のトムピアス(Tom Pierce)18歳と乗客のエバカーマイケル(Eva Carmichael)18歳です。グレートオーシャンロードは切り立った断罪絶壁が数十キロもつながっており、たとえ沈没船から逃れても、断崖に阻まれて生存することは出来ません。しかし二人は奇跡的にこのゴージのわずかな隙間から中に吸い込まれて浜辺に漂着できたのです。

Heritage of Victoria
Loch Ard (1878)

政府web

グレートオーシャンロード公式Web

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