2012年2月07日(火)
ビーチハウス Bathing Boxes
ローズバッド Rosebud
モーニントン半島 Mornington Peninsula メルボルン Melbourne
この場所の地図 Google Map
ビーチハウス(Bathing Boxes)は、メルボルン湾(Port Phillip)の全体に広く見られる。ブライトンのビーチハウスが数も多く、最も有名。ローズバッドにもたくさんのビーチハウスがある。
撮影データ Canon EOS 30D 絞り優先AE 評価測光 絞り20.0 1/100秒 ISO感度
100 露出補正 オート PG レンズ EF 24-70mm f/2.8L /USM 撮影:板屋雅博 撮影2011年1月
ビーチハウスは、イギリスで生まれ、南アなど英国連邦の国々に広まったもの。ビクトリア女王の統治時代に厳格なモラルが英国に流行したが、これをビクトリアンモラリティと呼ばれる。
ビクトリア時代には、健康を大切にする気風がたかまり、海水浴が盛んになった。
しかし特に女性のプライバシーを大切にするためにビーチハウスが建てられた。
ビーチハウスの建設が始まる少し前の時代に、ビーチマシン(Bathing Machine)という興味ある乗り物が登場している。
4輪の荷車に小屋を乗せたもので馬に引かせる。
この荷車の中で、着替えをする。また荷車ごと海中に入れて、後ろの扉をあけると、そのまま海中に入れるので、水着姿を他人に見せなくても泳ぐことができるもの。
ビーチマシンは、1750年にBenjamin Bealeによって発明され、英国の一部で使用されだし、1800年頃から英国全国で使われている。オーストラリアへ輸出されたという記録は無い。植民地であったオーストラリアは、英国より開放的であり、ビクトリアン・モラリティはあまり持ち込まれなかったからだと思われる。ただしアメリカやメキシコでは使用されている。
そもそも海水浴が一般化したのは、1750年前後のころ。海水浴が健康に良いとの医者の著書が出て、人々が急に泳ぎにいくようになった。1753年にDr.
Charles Russelの海水の効用、1769年のWilliam Buchanの家庭の医学の中でも海水浴の効用が述べられている。
その当時は、まだ男女が人前で肌をさらす風習がなくビーチマシンが考案された。女性は、ガウンをまとい、男性も長袖、長ズボンのスイムスーツを着て泳いでいた。また男女は、別の場所で泳いでいた。お互いに見ることがないので、それほど適した水着ではなかった。
現在でもセントキルダシーバス、ブライトンシーバスにその名残を見ることができる。
セントキルダシーバス
ミドル・ブライトン・シーバス
メルボルンにビーチハウスが建築され始めたのは1861年のこと。
英国からそれほど遅れて流行した訳ではなく、メルボルンの人々は、シティの建設が多少、進むと同時にセントキルダやブライトンのビーチで海水浴を楽しんでいた。
ブライトン・ビーチハウス
ビーチハウス09
BlackRock ビーチハウス
海水浴が一般的になったのは、それほど昔のことではない。このビーチハウスにもメルボルンの建設当時の歴史が秘められている。
Bathing Machine
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