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ANE News 2013 9月号

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老人福祉施設   特別養護老人ホーム   NHK

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

2年ほど前に国が定めた制度であるが高齢者に大きな関心を呼び、急速に普及してきた。従来は、特別養護老人ホームなどがあったが、高齢化社会の深化と共に高齢者が急増して収容が困難になっており、また有料老人ホームは入居費用・維持費が高く、年金だけで暮らす多くの中間所得層にはなかなか入居は難しいことが背景にあった。多くの民間会社が競って提供するサ高住は、割安なタイプの供給が増えて一般住宅とほとんど変わらない費用で年金の範囲で入居・維持が出来る手軽さが受けて急速に普及してきている。ひとり暮らしが出来なくなり介護が必要な人が食事の世話をしてもらったり、日常生活全般の手助けをしてもらったりできる高齢者を支えている。

国は60万戸の目標を掲げており、現在の登録戸数は11万戸強である。具体的な例としては、家賃、共益費、生活支援サービス、一日3食の食事提供も含めて月額13万円台からと安い施設も出てきた。厚生年金の平均受給額は月15万円ほどと厳しい年金環境だが、なんとか入居し維持できる金額である。サ高住の入居者の多くは単身高齢者であるが。夫婦でもOK。25u以上の台所、水洗トイレ、浴室、収納設備も法で義務付けられている。もちろんバラ色の話ばかりではない。東京都心部には低廉な施設はほとんどなく20万円台から50万円までと高額の施設が多い。認知症や持病がある高齢者の場合は受け入れてもらいないケースが目立つ。施設面での充実も今後の課題である。まだ始まって数年だが、急速に高齢化社会が進む日本では避けては通れない道でもあるし、企業に取ってはビジネスチャンスとも云える。低廉で高品質なサ高住の普及が日本社会では期待されている。
板屋雅博 日豪プレス駐日本代表 東京神田で叶屋不動産(株)を経営。http://kano-ya.biz/
Mike Itaya representative Tokyo of Nichigo Press















      



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