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HMVS Cerberus 英国海軍軍艦セルベラス

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2008年2月16日(土)
HMVS Cerberus 英国海軍軍艦セルベラス
ブラックロック Black Lock
サンドリンガムの海岸 Sandringham Beach
メルボルン Melbourne
この場所の地図 Google Map (航空写真)
Google Mapで戦艦セルベラスがはっきり見えます。

今朝は、曇り空でしたが、昼前には快晴のメルボルンとなりました。気温も30度まであがり夏のメルボルンらしい湿度の低い良い天候となりました。

昨年の今日2007年2月16日(リアルトビルディング Rialto Building


 沈没船 英国海軍戦艦セルベラス
左の画像の右奥に艦橋、艇前方部と後方部にの回転式砲塔がまだ沈まずに海上に見えます。
セルベラスは、豪州ビクトリア植民地防衛の為に、モニター型戦闘艦として1868年に英国で建造されました。沈んではいますが、モニター型では世界で唯一現存する船です。セルベラスは、石炭蒸気エンジン駆動型、鉄製甲板、砲塔4門、前後にふたつの回転式砲塔を持つ当時としては世界最新式の戦艦です。それまでの戦艦が木製、固定式砲門であったのに比べると圧倒的な戦力を持つ軍艦です。1800年代後半から1900年代前半にかけて活躍しました。また帆船にかわって蒸気エンジンを備えた英国海軍初めての軍艦でもあります。
江戸幕府軍艦咸臨丸は、1856年製木造3本マストの帆船でした。1868年明治政府の軍艦はすべて木造製の帆船です。

 セルベラスは、英国海軍主任設計士Sir Edward Reedによって設計されイングランドでPalmers造船会社で製造されました。Maudslay Son & Field社製水平二連式蒸気シリンダーエンジンでふたつのスクリューを駆動します。
Sir Edward Reedは、日本の歴史(History of Jalan 1880年)を書いています。しかし当時の蒸気エンジンは、帆船に比べてはるかに能力が劣り、速力はわずか毎時6ノット(10km)ほど、かつ10日に1回は、石炭を積み込む必要がありました。メルボルンまでの海上輸送は、蒸気エンジン船はほとんど使われずに快速形クリッパー帆船が主体でした。

  1869年に英国を出航して、メルボルンに到着したのは、1871年4月9日です。メルボルンに到着してからは、ビクトリア海軍の旗艦として活躍しました。
セルベラスとは、ギリシャ神話に出てくる3つの頭を持つ犬で、怪力ヘラクレスの愛犬です。
1901年からは、豪州連邦海軍軍艦となりましたが、そのころから老朽化が目立ち始めます。1908年からは、海上での爆弾保管場所として使われました。1924年には、かものはし号(HMAS Plyatypus)と名前を変えられました。1924年4月23日に、遂にスクラップとしてメルボルンのサルベージ会社に409ポンドで売却されました。

HMVSとは、Her Majesty's Victorian Shipで英国海軍を意味します。
現在でも豪州軍は、Royalが付いており英国女王の軍隊であることを示しています。

 しかし移動して解体するだけの価値がなく、1926年にサンドリンガム市に売却され、防波堤として9月2日に現在の場所に沈められました。現在、腐食が進んでおり、現在、引き上げ保存運動が起こっていますが、650万ドルの費用がかかり、資金難の為に進んでいません。

今年に入って晴天は続くものの、気温が上がらなかったメルボルンですが、2月も中旬になってやっと気温が上がってきました。

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