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ボルサリズ コーナー Borsari's Corner

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2014年9月15日(月)
ボルサリズ コーナー Borsari's Corner
ボルサリ・レストラン Borsari's Restaurant
ボルサリ自転車 Borsari's Cucle
ライゴン通り Lygon Street
カールトン Carlton
メルボルン Melbourne
この場所の地図Google Map

ライゴン通りとグラッテン通りの交差点にイタリアの伝統を引き継ぐ有名な場所ボルサリズコーナーがある。

撮影データ Canon EOS 5D MarkU 絞り優先AE 評価測光 絞りF8.0 1/320秒 ISO感度 125 露出補正 オート JPG レンズ EF 24-70 mm f/2.8L USM 2014年1月14日6:25 板屋雅博 撮影

  建物の屋根の部分にボルサリズコーナーの銘がある。この名前はイタリアのアマチュアサイクリスト、ニノ・ボルサリ(Nino Borsari)に由来する。ボルサリは、1932年のロサンジェルス・オリンピック自転車追い越し競技のイタリアの金メダリストである。第二次大戦が始まった時、ボルサリはメルボルンに滞在しており、またイタリアはドイツと共に枢軸国であり、オーストラリアは連合国側と敵対しており帰国出来ない状態となった。ボルサリは、戦争勃発の最初の頃1941年にライゴン通りとグラッテン通りの交差点の7この場所に自転車修理店をオープンした。1942年にネオンサインが設置された。ボルサリはライゴンのイタリア人社会の中で中心的人物として活躍した。ボルサリ自転車店は現在、ボルサリレストランとなっている。

建物コーナーの自転車ネオン上にはかつてのオリンピック・チャンピオンの銘が記してある。

メルボルンのネオンサイン

 ボルサリは北イタリアのボローニャに近いモデナの近郊で1911年に生まれた。非常に貧しい家庭で大恐慌時代にはほとんど飢え死に寸前であった。ボルサリは自転車選手として頭角を表し、イタリアでチャンピオンとなり、1932年のロサンジェルスオリンピックではイタリアチームの一員となり、4km団体追い越しで優勝し、金メダルを獲得した。ボルサリは、イタリア人のオペラ歌手であったファニーと結婚し、1941年にライゴン通りに自転車ショップをオープンした。第二次大戦後、イタリアに帰る道もあったが、ボルサリは資金的にも余裕が出来、社会的にもポジションを得て、メルボルンに永住することを決めた。ボルサリは自転車店を経営しながら中古品ショップビジネスも手掛けた。ビジネスは拡大し、1961年には3店舗シティ側の193ライゴン通りに新店舗をオープンした。角地の店舗では1992年まで輸入品などを販売した。

ライゴン通り側、ボルサリのコーナー店から左へ2店舗目がボルサリの新店舗。


 ボルサリは各種のビジネスを手掛け、社会的に大成功を果たした。世界最古の自転車メーカーと云われるビアンキ自転車の豪州への輸入権、イタリア式ボーリング(Bocce)の豪州への紹介、カプチーノマシンの豪州への最初の輸入、イタリア製食器の輸入などであった。当時、豪州は英国の強い影響で紅茶の国であり、カプチーノマシンの輸入販売は当時では考えられなかった。当時はイタリア大使館や領事館は開設されておらず、社会的な地位が高いボルサリは在豪州イタリア人社会の代表的な存在であり、スポークスマンでもあった。
豪州ボクシング協会会長を務め、メルボルンのユベントスサッカークラブの創始者となった。
ボクシング協会会長としてはアボリジニ出身のライオネルローズがファイティング原田に東京で挑戦した際のサポートを行っている。
1956年のメルボルンオリンピック招致活動では代表員としてロンドンで活動している。


 ボルサリは、1950年代から60年代にメルボルン市当局によってライゴンの古いビル群が解体されようとした際には全力で抗議している。彼の息子、ニノジュニアによると、ボルサリは毎晩、店に泊まり込み、解体職員が来たときは2階のベランダに自身をくくりつけて、抗議したという。
ボルサリはメルボルンへのオリンピック誘致に際してロンドンで活動を行った。オーストラリアが未開の土地であると主張する英国人に対して、「オーストラリア人はわずか100年で新しい国家を建設した。オーストラリア人は勤勉で、忠誠をつくす国民であるとロンドンっ子を説得し、メルボルンオリンピックの実現に貢献している。

ボルサリ自転車にはニノ・ボルサリの記念品が置かれているが、1940年にメルボルンで製作された90%が木製の自転車があり、オーストラリアでは唯一のものである。ニノ・ボルサリは1996年3月31日に84歳で他界した。

ビアンキ公式web

ボルサリ自転車とボルサリが愛したライゴンストリート。

ボルサリ自転車公式Web


メルボルン市web

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