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1890-1899

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ベンベヌタ Benvenuta メドレイホール Medley Hall

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2015年9月12日(土)
ベンベヌタ Benvenuta
メドレイホール Medley Hall
カールトン Carlton
メルボルン Melbourne
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ベンベヌタは現在、メルボルン大学では最小の学生寮であるが、当初は裕福な銃砲類商人の未亡人の邸宅として、イタリアからの輸入された15トンもの資材を使って豪華に建築された。イタリア系マフィアの犯罪拠点でもあったこともある。2009年にはニコラスケイジ主演のノウイングの撮影にも使用された。

撮影データ Canon EOS 5D MarkU 絞り優先AE 評価測光 絞りF5.1 1/640秒 ISO感度 100 露出補正 オート JPG レンズ EF 24-70 mm f/2.8L USM 2014年1月13日16:45 板屋雅博 撮影

 ベンベヌタ Benvenuta
メドレイホール Medley Hall
住所: 44 Drummond Street Carlton
建築年:1892年
建築期:ビクトリアン
建築家:ウォルター・スコット・ロー
Walter Scott Law
建築様式:マンネリストMannerist
建築目的と現在の用途:住居、学校寮
階数:2階
施主:Mrs Leah Abrahams
建築請負:Richard Stockdale

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ステンドグラス、大理石、鋼材など15トンを超える建築材料イタリアから輸入され、大工もイタリアから出張してきた。

 ベンベヌタ(Benvenuta)邸は1893年に施主リー・アブラハム夫人の為に建築家ウォルター・スコット・ローが設計し、リチャード・ストックデール建築請負にて建築した。入念に装飾された2階建て化粧煉瓦作りの邸宅は2層のアーケードをメインモチーフに設計された。ベンベヌタ邸は当初、13部屋を持ち、フリークラシカルスタイルでデザインされた。正面のファサードは中央ベイを中心に左右2つづつのベイを持って設計されている。ギリシャのコリント様式とイオニア様式風に中央ベイは少し前にせり出している。中央ベイの真上の3階部分にはタワーが設けられている。内装にも資金を投入して豪華に仕上げられている。
ウォルター・スコット・ローはメルボルンの建築ブームであった1880年代を代表する建築家である。

 施主のリー・アブラハム夫人の夫は銃砲類の商人であった。1925年にベンベヌタ邸は豪州連邦政府に貸し出され、紛争調停法廷として使用された。その後、イタリアンクラブとして宴席、音楽会、日曜日のプロボクシング試合会場などに使用された。
ベンベヌタ邸は暗い歴史を持っていることでも知られている。2階の階段上の入り口部分にある窓には弾丸の穴が残っており、これは1938年からノースメルボルンのワイン業者に貸し出されていたが、その頃、犯罪ギャング団の活動拠点であった。第ベンベヌタ邸はイタリア政府領事館が所有していたが、第二次大戦にイタリアが敗戦したため、メルボルン大学に貸与された。メルボルン大学はドラムンド通りホステルと名前を変えた。2009年にリリースされたニコラス・ケイジ(Nicolas Cage)主演の映画ノウィング(Knowing)の撮影に使用されたことでも知られる。

 1953年にメルボルン大学の学生寮となり、1956年にメドレイホールと名前が変わった。

現在、メドレイホールはメルボルン大学では最小の学生寮である。他の学生寮はメルボルン大学の後背地のパークビルにあるがメドレイホールだけは離れてカールトンに立地する。現在、60名ほどの学生が寄宿している。メドレイホールの名前は過去のメルボルン大学副学長であったSir John Dudley Gibbs Medleyに由来する。


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