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ノースメルボルン

イースターイブのミサ ウクライナ東方カトリック教会大聖堂

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2010年4月03日(土)
イースターイブのミサ
ウクライナ東方カトリック教会大聖堂
Ukrainian Cathlic Cathedral
ノースメルボルン North Melbourne
メルボルン Melbourne
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イーストメルボルンにウクライナ東方カトリック教会大聖堂があり、4月3日の夕方、イースターイブのミサがあった。ミサ終了後、大聖堂の周りを1周、イースターバスケットが並び、ローソクの火が灯された。


撮影データ
Canon EOS 5D MarkUマニュアル露出 評価測光 絞りF2.8 1/20秒 ISO感度 6400 AWB 画質圧縮率 JPEG レンズ 発光 EF24-70mm f/2.8L IS USM

 ウクライナ東方カトリック教会メルボルン大聖堂は、オーストラリア、ニュージーランド地区を教区とするウクライナ東方カトリック教会の総本山。この地区では、ビショップ(司教)は、ただひとり。

東方カトリック教会は、正教(オーソドックス)と同様に、クリスマスよりもイースターを最も重要なキリスト教行事としている。
イースターの前、1週間ほど行事が行われる。イースター・イブには、それぞれの家から伝統の食べ物をバスケットに入れて持ち寄って、カテドラルの最高聖職者ビショップから祝福を授かる。イースタータマゴ、クロスパン、ソーセージ、チョコレートなどが入っている。バスケットの食べ物は、翌日イースターの朝、家族揃って食べる、

東方カトリック教会は、カトリック教会の一派。東ヨーロッパや、中近東、アフリカなどに広まったカトリック教会。歴史的には独立したキリスト教会であったが、ローマ法王庁の教義を受けてカトリック教会の傘下に入るか、又は友好関係を保った教会。

キリスト教は、380年にローマ帝国の国教に定められてから発展が始まった。395年にローマ帝国は、東西のローマ帝国に分裂。西ローマ帝国はローマを本山とする西方教会。東ローマ帝国には、コンスタンチノーブル(イスタンブール)を本山とする東方教会に分かれた。西ローマ帝国は、476年に滅亡するが、西方教会は諸派に分かれて存在した。その中で、ローマ教会は、500年代に大移動を開始したゲルマン民族に対して積極的に布教し、諸教会を傘下に収めて行った。当時のイタリアは、東ゴート王国に収められていて、ローマもかつてのローマ帝国の首都の輝きを失っていた。

しかしローマ市は、12使徒のペテロ、パウロの殉教の地とされ、ローマの司教は、使徒ペテロの後継者を自任して権威を高めていた。ローマ西方教会は、異民族であるゲルマン民族への普及を優先して、キリストやマリアの偶像を崇拝するなど、本来のキリスト教の教義からは少しずつ離れて行き、東方教会とは違った道をたどり始めた。
726年に東ローマ帝国は、偶像禁止令を出しているがローマ西方教会は、フランク王国の庇護を受け始め、ローマ・カトリックとしての道を歩み始めた。
1054年には、ローマ・カトリック教会と、東方正教会(オーソドックス)が教義の違いから相互を波紋にするという事件が発生し、完全に分離。ただしその数百年前からの違いが表面化しただけという見方も強い。

オーストラリア・ニュージーランド教区の最高聖職者であるビショップ。

東ローマの庇護のもと、東方正教会は、東ヨーロッパ諸国に勢力を伸ばしていた。
東ローマ帝国は、1453年4月、オスマントルコ帝国によってコンスタンチノープルが陥落して、滅亡。本山を失った正教会の力が徐々に衰え始めた。
1543年にパリでカトリック教会の一派イエズス会が成立し、東ヨーロッパ諸国を積極的に布教。
ウクライナでは988年にギリシャから正教を受け入れて正教を国教としていた。
13世紀には、モンゴル帝国の侵略によって一時はキリスト教は下火になったが、14世紀には正教が復活。
1596年頃、カトリック国であるポーランドの侵攻を受けてウクライナの正教会の主だったメンバーがローマ法王の権威を認め、ウクライナとベラルーシの正教会の大半をカトリック教会と合体させ、ウクライナ東方カトリック教会を成立。

東方カトリック教会には、国によっていくつかの派があるが、ウクライナ東方カトリック教会は、最大勢力となっている。

もともとが正教であり、カトリック教会といえども、ほとんどの儀式は正教式で行われている。

ウクライナ東方教会は、グレゴリオ暦を奉じるカトリックとは違い、正教会と同じくユリウス歴を使用している。クリスマスには、13日の違いが生じている。イースターの場合は、イースター(復活の日)は、春分の日の後の最初の満月の次の日曜日であり、これはグレゴリオ暦、ユリウス歴の場合も同じであり、イースターの日は、カトリック、正教会とも同じ日に行われる。

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