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２００７年２月２２日（木） (今日の一枚へ戻る）
ポートメルボルンのビーチ Port Melbourne
Melway ２Ｊ- Ａ６ メルボルン Melbourne
ポートメルボルンは、メルボルンの歴史の最も古い時代から始まります。しかしビーチとして着目されてきたのは、それほど古いことではありません。１８５０年代のゴールドラッシュより、Sandridgeに主に欧州やアジアからの帆船が激増した為に、ステーションピアが建設されました。またステーションピアとフリンダース駅を結ぶ豪州で最初の鉄道であるSandridge線が同時に建設されました。現在のトラム１０９線です。ヤラ川にかかるサンドリッジ橋Sandridge Bridgeの名前は、豪州鉄道史上で有名な路線名から取っています。現在は、歩行者用遊覧橋になっています。
ポートメルボルントップ
 ステーションピア Station Pier
豪州で最大の客船の桟橋（Pier)であると共に、豪州で最も古い歴史を持ち、また一番多くの移民を受け入れてきた世界の移民の歴史上に名を残す桟橋です。現在では、タスマニアへ行くタスマニア号（Spirit
of Tasmania)の桟橋としての方が有名です。タスマニア号は、夕方着岸してその夜のうちにタスマニアへ向けて出航します。
ポートメルボルンは欧州やアジアなど大陸から輸入された物資の集積地でした。そのため砂糖精製工場、石鹸製造工場、蝋燭工場、化学工場、製粉工場、ガス精製所、アルコール製造工場、靴工場などの工場地帯となりました。
ポートメルボルンからサウスメルボルンの地区は、低賃金の移民が住む労働者階級の街だったのです。たくさんの工場は、現在は、まったく使われていませんが、古い物を大切にするメルボルンではアパート、パブ、レストランなどに姿を変えて現在でも存在感をアピールしています。
正面は、ポートメルボルンヨットクラブ
その向こう側は、釣り桟橋。左側に見えるのは、古い工場を利用してアパートになった建物です。
ポートメルボルンのもうひとつの側面があります。組織犯罪です。１８００年代は、ビクトリア州には所得税が無く、高い税率の関税が政府の収入の大半を占めていました。従って密輸により莫大な利益が上がったのです。またアジアからの阿片など非合法貿易により組織犯罪がポートメルボルンで巨大化したのです。特にメルボルンではイタリア系マフィアの長年に渡る抗争が有名です。外航船の塗装工、港湾労働者がギャング団の手先となっていました。また低所得者労働者間に、共産党員も数多く浸透し、労働者運動を率先してきました。豪州は、１９７０〜１９９０年代にかけてストライキなど労働争議で有名でした。ポートメルボルンがひとつの拠点だったのです。現在、そのどちらもほぼ存在しません。
ポートメルボルンヨットクラブ公式Web
Port Melbourne Historical and Preservation Sociery
ステーションピアの直ぐ側に出ている見晴台（Overlook)。家族連れや釣り人でにぎわいます。この辺りの海は、ヨット、モーターボートなどはＯＫです。逆にウィンドサーフィン、カイトサーフィンは禁止になっています。夏の間の毎週、水曜日には、ヨットレースが開かれています。
現在のポートメルボルンは、ビーチロード沿いには、ヨットハーバー、ライフセービングクラブ、レストラン、パブ、などが並んだ近代的な観光地区です。またビーチサイドの高級アパートや、高級住宅地区となっています。更に内陸へ入ると中産階級以下が住む労働者の街でもありますが、メルボルンのシティに近く、またビーチにも近いという環境を利用して高級住宅街へと急速に変化しています。今後、１０年で一変するでしょう。
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