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豪州海軍演習ホールとサンドリッジ郵便局

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2014年11月16日(日)
豪州海軍演習ホールとサンドリッジ郵便局
Naval Drill Hall and Former Sandridge Post Office
40 Bay Street Port Melbourne
ポートメルボルン Port Melbourne
メルボルン Melbourne 
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ポートメルボルンには初期のメルボルン移民時代から海軍関係の施設が多数あった。特に豪州連邦政府が出来てメルボルンが首都になった時代には豪州海軍の本拠地として活躍した。豪州海軍演習ホールとサンドリッジ郵便局は当時を偲ぶ唯一の史跡である。その後、海軍の中心地はウィリアムズタウンへと移る。

撮影データ Canon EOS 5D 絞り優先優先AE 評価測光 絞り 11.0 1/200秒 ISO感度200 露出補正 オート JPG レンズ EF 70-200mm f/2.8L /USM 撮影:板屋雅博 撮影2014年1月12日 17:38

 ポートメルボルン海軍演習ホールは、1912年に豪州連邦政府工業設計技師JSマードック(John Smith Murdoch)の設計で建設された。豪州連邦は1901年にメルボルンを首都として英国から独立した。ビクトリア、NSWなどの植民地海軍は連邦海軍として統一されたが、まだ実態としいてはバラバラな状態であった。統一を図るためロイヤル豪州海軍が元首である英国王ジョージ5世王(吃音で映画化された)の許可により1911年7月10日に創設された。海軍演習ホールは、新設ロイヤル豪州海軍初期の重要な施設であった。海軍演習ホールの隣りにはメルボルン初期の名建築家JJクラーク(ビクトリア州公共建設局)の設計による1862年建設のサンドリッジ郵便局がある。建設はGriffiths and Co.

JSマードックの主な作品
Old Parliament House and Yarralumla Canberra, HMAS Cerberus Crib Point, RAAF Point Cook and the former High Court 450 Little Bourke Street
メールエクスチェンジビル 


連邦政府役所群
  
 サンドリッジ郵便局は、キルモア郵便局(州遺産番号:HR1190、)とほとんど同一のデザインである。キルモア郵便局はブルーストーンを多用し、サンドリッジ郵便局は主に赤レンガを構造材として多用している点の違いがある。キルモア郵便局の設計はHenry Williamsとされているが、JJクラークも参加していると見られる。サンドリッジ郵便局兼電信局はフェデレーション期(1900年以降)に連邦政府に移譲された。新しい郵便局がベイストリート沿いに建設コンペを経て建設され、旧サンドリッジ郵便局は1911年に海軍の事務所として使用されることになった。海軍事務所として使用する為に内部の造作には変更を加えている。 海軍演習ホールはエドワード朝様式フリークラシカル建築の代表例である。平坦な赤レンガ、加工した赤レンガ、装飾した砂岩など駅国式建築美術の伝統を引き継ぐ名建築である。
  
 旧サンドリッジ郵便局、電信局
建築年:1862年
建築様式:イタリアニーズ、エドワード朝様式フリークラシカル
建築家:JJクラーク
建築材料:三色レンガ、砂岩


Onmydoorstep

Port Phillip History

J J Clark's Buildings

 同時代の他の軍事演習ホールが木材と鉄材を使用していたが、ポートメルボルン海軍演習ホールは、赤レンガと砂岩を使用しており、違いが鮮明である。連邦政府工業設計技師JSマードックは、モーニントン半島のクリブ岬(Crib Point)の軍艦HMASセルベラス(Cerberus)の海軍建物やマリビノンのロイヤル豪州軍野戦砲撃部隊宿舎(Royal Australian Field Artillery Barracks、州遺産HR1098)などの建築物を設計している。ポートメルボルン海軍演習ホールは第一次と第二次世界対戦の際の新兵募集事務所として使われた。
海軍予備役演習ホールHMASロンズデール(Her Majesty's Australian Ship:豪州軍艦)と海軍売店が取り壊されたために、海軍演習ホールはポートメルボルンにおける海軍関係の最後の遺跡となった。

 メルボルンが最初の首都になったこともありビクトリアはロイヤル豪州海軍の中で最も強力な艦隊を発展させた。ポートメルボルンは豪州海軍の母港となり、海軍軍人の訓練の場所となった。その象徴が海軍演習ホールである。海軍演習ホールの高いレベルの建築デザインや同時期の海軍施設の中では高い品質の材料を使っている。


 1859年 海軍予備役の訓練が開始。ビクトリア海軍師団がサンドリッジ軍団を設立。
1876年 演習ホールと海軍士官学校がポートメルボルンに設立。
1890年 ダウ通りの演習ホールは売却。
1901年 ベイ通りの突き当たりにあるタウンピア桟橋にあった税関事務所にて海軍演習を実施。
1911年 ロイヤル豪州海軍設立。
1912年 海軍演習ホール建設。
1942年 豪州海軍予備役演習ホールがポートメルボルンの湿地帯に建設され、HMASロンズデールと命名された。
1992年 HMASロンズデール解体

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