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ヨークシャービール醸造所 Yorkshire Brewery

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メルボルンの産業史

建築史1870-79

2017年1月9日(月)
ヨークシャービール醸造所
Yorkshire Brewery
コリンウッド Collingwood
メルボルン Melbourne
この場所の地図(Googole Map)

ヨークシャービール醸造所を2015年に撮影に行ったところ既に再開発が始まっていたので、2016年に再開発が完了したので撮影に行った。1800年代後半に作られた巨大なビール醸造所であり、ビール産業がメルボルンの社会に重要であったことが判る。

撮影データ Canon EOS 5DMarkU 絞り優先AE 評価測光 絞りF10.0 1/500秒 ISO感度 200 露出補正 -1/3 オート JPG レンズ EF 24−70mm f/2.8L USM
2016年1月21日18:30 板屋雅博 撮影


 ヨークシャービール醸造所は、1858年にジョンウッド(John Wood)によって設立された。2エーカーの敷地に木製の小さな工場で36ガロン入りの銅製の醸造タンクを使ってr始まった。ジョンウッドは建築請負業者で、この場所に住んでいてショークシャーホテルを経営していた。
ジョンウッドの息子James Woodは技術者で、芸術家でもあったが、現在の醸造所全体を設計し、1876年に礎石を置いた。ヨークシャー醸造所の一番の特徴は、高層の多色煉瓦タワーで屋上には急傾斜のマンザード屋根と展望台があり、現在も残されている。煙突タワーもかつては存在したが取り壊されている。ヨークシャービールは、メルボルンの有名ビールとなり、1888年のメルボルン万国博覧会ではエール&ポーターのビール部門で賞を獲得している。
コリンウッド地区の産業近代化の最初の世代に属する。

 コリンウッドは、ビール製造各社がひしめく場所であり、ヨークシャービール醸造所のオーナーも何度も変わったが、20世紀初頭にも厳しいビール業界でも生き残っていた。その頃、ビール各社の合併が進み、ビール製造会社の数は減ってきていた。1909年にメルボルンのビール会社最大手のカールトン&ユナイテッド社に買収され、待機工場として製造は停止となり、その後は倉庫となった。1954年にはモルトハウスとして使用された。
ヨークシャービール醸造所は、ビクトリア時代の中規模のビール醸造所として建設当時の姿をかなり残している。ビール醸造タワー、地下醸造設備、馬小屋などである。
19世紀のビール製造工場の遺跡としては貴重なものである。ビクトリア植民地に於けるビール産業の位置づけが理解できる。19世紀のビール醸造タワーとしてはビクトリア州で最大のものである。


  ヨークシャービール醸造所
Yorkshire Brewery
住所:88 WELLINGTON STREET and 1-21 ROBERT STREET COLLINGWOOD
建築年:1876年
建築家:James Wood
建築様式:第二帝国セカンドエンパイア様式
建築目的:ビール醸造所

Victorian Heritage Databese:

Walking Melbourne

 醸造タワーには水圧式エレベーターが設置されており、動力水源は、ヤンリーン湖(Yan Yean:38km北西部)からのものであった。現在は撤去されている。巨大な貯蔵庫がタワーの後背部に設置されていた。205フィートの煙突タワーはビクトリアで最もスタイルが良いと1890年頃に評判であった。自動車が無い時代であり、ビール輸送用の馬小屋には26頭の馬が飼われていた。

コリンウッド歴史クラブ


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