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 ビールの歴史

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リッチモンドモルティングス  豪州最古のビール工場

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2016年6月19日(日)
リッチモンドモルティング工場
Richmond Maltings
クレモ−ン Cremorne
メルボルン Melbourne
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リッチモンドモルティング工場は、1852年から継続して製造を続ける豪州で最も古いビール用モルト製造工場である。いまでも4基の19世紀モルト製造設備が現存している。空気圧式やフロア式などの歴史的なモルト製造工程を知る上でも重要である。1880年製造の空気圧式モルトハウスは、豪州では現存する19世紀の唯一の設備であり、世界でも最も早い時期の導入であった。

撮影データ Canon EOS 5D MarkU 絞り優先AE 評価測光 1/2500 F4.5 ISO感度 320 太陽光 露出補正 JPG レンズ EF 24-70mm f/2.8L USM
2016年1月20日16:05 板屋雅博撮影

 バレット・バーストン(Barrett Burston)・リッチモンドモルティング工場は、当初、麦芽製造工程と発酵醸造工程を行うビール工場として1850年〜1860年に建設された。1879年には醸造工程は廃止され麦芽製造工程のみの専門工場に転換されと現在に至っている。モルト(麦芽)は発芽した大麦のことで、酵素を麦自身に作らせるために麦を麦芽させる。この過程でスターチ(でんぷん)が大麦の中に蓄積されて、糖に変化する。糖は発酵されてビールになる為の重要な役割を担っている。



  この工場にはモルトハウス、倉庫、サイロ、事務所の4つで構成されている。最も古いモルトハウスはテンパり―建屋(Temperley)である。1880年にエドワード&バジャー(Edwards & Badger)が設計した建屋でフランスのガランド空気圧システム(French Galland pneumatic system)に基づいた製造工程が設置されており、同システムは当時最新のビール製造工程であり、豪州では最も早い導入であった。1903年に古い建屋をベースに新しいモルトハウス建屋が建設され、フロアモルティング工程が新設された。このモルトハウスは、1912年と1918年に拡張されたが、火事で損傷したため1950年に近代的なサラディン箱型システム(Saladin box system)が導入された。

 2基のフロアモルティング式モルトハウスが1920年と1928年に、更に事務所棟が1922年に新設された。1860年代の旧醸造モルトハウスは、1930年代に空気圧式モルトハウスに置き換えられた。1939年に新しい店舗が作られた。1942年に第二空気圧式モルトハウスがゴー通り(Gough Street)の北側に建設されたが、1980年代に事務所に変更された。現在は、バレット・バーストン社の豪州本社として賃貸使用されている。1952年に6基の空気圧式モルト化ドラムが英国より輸入され、その為1戸の建屋が建設された。この施設はビクトリア州では最初のものであった。巨大な11基の大麦保管用サイロは1952年に建設されランドマークになっている。1950年から1960年にかけて連続製造設備が導入され、モルト化設備や貯蔵能力が強化されサラディン箱型モルトハウスがゴー通り側に設置され、ハーコート通り(Harcourt Parade)には更に巨大な大麦サイロが建設された。

 これまでの運営会社、Barrett Bros社、Smith McDonald & Co社、Smith, Winn & Fielding社、Smith, Winn & Co社、Smith, Mitchell & Co社、Barrett Bros & Burston Co Pty Ltd社。現在はバレット・バーストン社が運営している。
1903年までの初期のリッチモンドモルティングスは、販売用麦芽製造家(sale maltster)でリッチモンドやメルボルンの市長になったチャールズスミスによって運営されていた。


メルボルンに現存する19世紀のビール工場
James Hood & Co site:
Islington Street, Collingwood (1878)
the Barrett Burston:
Gibdon Street site, Burnley (1892)
Joe White Maltings:
Gregory Street site, Ballarat (1898).

Onmydoorstep

Barrett Burston社公式web


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