リッチモンド変電所 RICHMOND TERMINAL STATION

2020年5月16日(土)
リッチモンド変電所 RICHMOND TERMINAL STATION クレモーン Cremone メルボルン Melbourne
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リッチモンド変電所は、1928年に建設された。ビクトリアでは3番目の変電所で、ヤラビル(Yarraville 1926年)、トーマスタウン(Thomastown)に次ぐものである。
リッチモンド変電所には、ラトローブバレー(Latrobe Valley)発電所で発電された電気が送電されてきた送電先である。
撮影データ Canon EOS 5D 絞り優先AE 評価測光 1/250 絞りF11 ISO感度 100 露出補正 太陽光 JPG レンズ EF 24-70mm f/2.8L 2020年1月25日15:16 撮影:板屋雅博


リッチモンド変電所 RICHMOND TERMINAL STATION  347 MARY STREET, RICHMOND, YARRA CITYメインの建物は、1930年に建設された。ラトローブ発電所から送電されてくる132kv電気を制御するため、2台の同期制コンデンサー(synchronous condensers)、電力安定用(多くは昇電)大型回転機(rotating machines)が1階に設置された。1970年からは、建物は、電力用のケーブルの保管倉庫として使用され、電力制御室や事務所は、1960年代、70年代に同じ敷地に建築された。州電力局は、1990年代に民営化され、リッチモンド変電所は、アメリカの会社、 General Public Utilitiesが所有することになった。General Public Utilities社は、州電力局の送電線、変電所なども購入した。現在は、Victorian Power Exchangeになっている。


  リッチモンド変電所は、3階建ての着色された建物である。アールデコ(Architecturally Deco)様式の影響を受けている。建物は、壁はクリーム色のペンキを着色されており、垂直方向に流線形の溝のパターンが施されている。パラペット(屋上の縁側の壁)に近い場所に空調用のパネルが埋め込まれた垂直のモールドの設置されている。垂直方向に背が高い窓の開口部があり、スチール製の窓枠とガラスがはめ込まれている。建物の上層部は、主任エンジニアの居住区が配置されており、建物のメイン部分に比べて、小規模に作られており、北側、東側からはセットバックしている。


リッチモンド変電所は、隣の敷地内の戦後に建てられた建物がない時代には、主に住宅街である南リッチモンドのランドマークであったと思われる。現在のリッチモンド発電所のオーナーは、AusNet Services 社で、シンガポール資本のシンガポールパワー(Singapore Powe)が31%、中国資本の国家電網公司(State Grid Corporation of China)が20%が主要な株主である。シンガポールパワーは、シンガポール政府が100%所有している。国家電網公司は、中国政府の国策会社である。

リッチモンド変電所改善計画


ラトローブバレーは、ビクトリア州のエネルギー産業の中心地であり、褐炭の採鉱と燃焼でビクトリア州の85%の電力を作り出している。
4つの発電所がある。
ロイヤン(Loy Yang)発電所 A & B,(1980年代)
ヤルーン(Yallourn)発電所(1921年開始)
ジェーラヤン(Jeeralang)ガス発電所
ヘイズウッド発電所(1964年~2017年閉鎖)
モーウェル(Morwell)発電所(1950年代~2014年閉鎖)
従って、リッチモンド変電所はヤルーン(Yallourn)発電所で発電した電力をメルボルンで受け取り、メルボルン市内へ供給する為の変電所であった。


ヤルーン発電所は、ラトローブバレーで採れる褐炭を燃焼して発電する為、ビクトリア州政府によって1919年に提案された。1921年に州電力庁(State Electricity Commission of Victoria)によって操業開始した。発電所で働く従業員の為にヤルーンの町も建設された。石炭は、900mmの鉄道で運ばれた。最初のヤルーンA発電所は、1928年にオープン。6台のMetro Vickers、各12.5MW蒸気式でそれぞれ12基のジョン・トムプソン(John Thompson)社製チェーン・グレート式ボイラー(chain grate boilers)が設置されていた。

ヤルーン発電所

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