シティ案内
今日の一枚へ
ブランズウィック ・ケーブルトラム・エンジンハウス Brunswick cable tram engine house
メルボルン百景トップ
メルボルンの乗り物
ノースカールトン North Carton
2019年8月31日(日） ブランズウィック・ケーブルトラム・エンジンハウス Brunswick cable tram engine house and tram substation ノースカールトン North Carton メルボルン Melbourne この場所の地図 Google Map 変更済み ブランズウィック・ケーブル・トラム・エンジン・ハウスは、シドニーロードに沿ってケーブル・トラムの路線を設置する為に１８８７年に建設された。エンジンハウスは、ブランズウィックロードからフリンダースストリート駅へ、また往復で総延長約９．６ｋｍの長距離をカバーした。 撮影データ Canon EOS 5D MarkⅡ 絞り優先AE 評価測光 1/100 F10.0 ISO感度 100 オート 露出補正 JPG レンズ EF 24-70mm f/2.8L USM 2019年1月13日12:58 板屋雅博撮影 ＶＨＤ CABLE TRAM ENGINE HOUSE & TRAM SUBSTATION 蒸気パワーエンジンハウスは、巨大なレンガ作りの工場で高い煙突が付随していた。建物後部には燃料置き場と馬の寄せ場があった。サラーサンド（Sarah Sands）エンジンハウスと呼ばれていた。その後部には良く知られたホテルがあった。メルボルンのケーブルトラムルートは、１９１９年にメルボルン首都圏トラム公団（Melbourne & Metropolitan Tramways Board ：M&MTB）が設立されて以降、１９２０年代に電化されていった。電化の目的は、近代化、電化、既存のケーブルトラム、電気式トラムルートをメルボルンの広範囲に広げる点などであった。１９２０年代に M&MTBは、いくつかの巨大なレンガ作りの変電所をメルボルンの近郊郊外部に建設した。 州電力局（State Electricity Commission (SEC) の発電所により高電圧交流電気が発電され、変電所により低電圧の直流電気に変換されて、新型の電気式トラムに供給された。ブランズウィックケーブルトラムルートが電気式に１９３６年に転換された頃、大恐慌が発生して、財政的に逼迫して、トラム路線の建設は中断した。変電所の設備は、もはや不要となったエンジンハウスに設置された。残りのケーブルトラムの建物は、他の私企業のビジネスに使用された。 ケーブルトラム・エンジンハウスは、ふたつの並行した寄棟屋根のレンガ作りの建物である。中央の切妻破風作りの屋根に空気孔を備えている。横方向に長いレンガ作りの倉庫に似た平屋ビルであり、１９３６年に北側に専用の変電所が建設された。 正面ファサードには着色された水平方向への仕切り段があり、ブラック通り（Black Street）とブランズウィック通り側の開口部には２色で着色された装飾を施されている。ブラック通り側にそって正面にはいくつかの事務所があった。事務所の裏手にはこの手の建物に典型的だが巨大な空間があり、現在も保持されている。 変電所は、近代的な設備を導入して、現在も使用されているが、ロータリーコンバーター（ rotary converter）、変電器（transforme）、操作盤（switching gear）、重量物移動の為の天井滑車（overhead pulleys）、各種の計器（ assorted gauges ）、小型設備などの当時の機械設備も残存している。深いレンガ作りの地下ピット（）、建物全体の長さに及ぶ軌道など１９世紀のケーブルトラムに関する考古学的遺物（archaeological remains）が存在する可能性がある。敷地の西側や北側の隣地の建物に地下タンク、煙突群（chimney stack）、台貫（だいかん：weigh bridge）が残っている可能性がある。 ケーブルトラムの運用は、１８８０年代から始まり、電気トラムの運用は、１９２０年代に始まった。世界最大で最も進歩的でかつ複雑なシステムであった。変電所は、元のケーブルトラムの電化に伴って１９２０年代から設置が始まった。ブランズウィックの変電所が新築建物ではなく、旧ケーブルトラムエンジンハウスに作られたのは、ブランズウィック線の建築時期が１９３０年代の不況の時期の為であった。ブランズウィックケーブルトラムエンジンハウスがほとんど当時のままで生き残ったのも、電化に際して２次利用されたという理由による。ケーブルトラムと電化トラムのふたつの世代のトラムシステムが混在するめずらしい例である。 rotary converter, a transformer and switching gear, overhead pulleys このページのトップへ
2019年8月31日(日）
蒸気パワーエンジンハウスは、巨大なレンガ作りの工場で高い煙突が付随していた。建物後部には燃料置き場と馬の寄せ場があった。サラーサンド（Sarah
Sands）エンジンハウスと呼ばれていた。その後部には良く知られたホテルがあった。メルボルンのケーブルトラムルートは、１９１９年にメルボルン首都圏トラム公団（Melbourne
& Metropolitan Tramways Board ：M&MTB）が設立されて以降、１９２０年代に電化されていった。電化の目的は、近代化、電化、既存のケーブルトラム、電気式トラムルートをメルボルンの広範囲に広げる点などであった。１９２０年代に
M&MTBは、いくつかの巨大なレンガ作りの変電所をメルボルンの近郊郊外部に建設した。
州電力局（State Electricity Commission (SEC) の発電所により高電圧交流電気が発電され、変電所により低電圧の直流電気に変換されて、新型の電気式トラムに供給された。ブランズウィックケーブルトラムルートが電気式に１９３６年に転換された頃、大恐慌が発生して、財政的に逼迫して、トラム路線の建設は中断した。変電所の設備は、もはや不要となったエンジンハウスに設置された。残りのケーブルトラムの建物は、他の私企業のビジネスに使用された。
ケーブルトラム・エンジンハウスは、ふたつの並行した寄棟屋根のレンガ作りの建物である。中央の切妻破風作りの屋根に空気孔を備えている。横方向に長いレンガ作りの倉庫に似た平屋ビルであり、１９３６年に北側に専用の変電所が建設された。
変電所は、近代的な設備を導入して、現在も使用されているが、ロータリーコンバーター（ rotary converter）、変電器（transforme）、操作盤（switching
gear）、重量物移動の為の天井滑車（overhead pulleys）、各種の計器（ assorted gauges ）、小型設備などの当時の機械設備も残存している。深いレンガ作りの地下ピット（）、建物全体の長さに及ぶ軌道など１９世紀のケーブルトラムに関する考古学的遺物（archaeological
remains）が存在する可能性がある。敷地の西側や北側の隣地の建物に地下タンク、煙突群（chimney stack）、台貫（だいかん：weigh
bridge）が残っている可能性がある。
ケーブルトラムの運用は、１８８０年代から始まり、電気トラムの運用は、１９２０年代に始まった。世界最大で最も進歩的でかつ複雑なシステムであった。変電所は、元のケーブルトラムの電化に伴って１９２０年代から設置が始まった。ブランズウィックの変電所が新築建物ではなく、旧ケーブルトラムエンジンハウスに作られたのは、ブランズウィック線の建築時期が１９３０年代の不況の時期の為であった。ブランズウィックケーブルトラムエンジンハウスがほとんど当時のままで生き残ったのも、電化に際して２次利用されたという理由による。ケーブルトラムと電化トラムのふたつの世代のトラムシステムが混在するめずらしい例である。