シティ案内

今日の一枚

メルボルン産業史

ニューポート

ウィリアムズタウン

メルボルン百景トップ

ニューポート発電所ゲートハウス Newport A & B Power Station Gatehouse

2020年8月30日(日)  従来版
ニューポート発電所ゲートハウス 
Newport A & B Power Station Gatehouse
ニューポート Newport
メルボルン Melbourne
この場所の地図 Google Map

ニューポートA及びB発電所複合体は、ゲートハウス、鉄道引き込み線、石炭埠頭、石材が敷き詰められたホブソン湾への曲線状の水路などで構成されており、全て1913年ー18年に建設されている。カナリア島やし(Canary Island Palms)や、モントレーイトスギ(Monterey Cypresses)などの成木(mature trees)がニューポートのダグラス・パレードの北側の端に植栽されている。

撮影データ Canon EOS 5DMarkⅡ 絞り優先AE 中央部重点平均測光 絞りF9.0 1/200秒 ISO感度 100 露出補正 オート JPG レンズ EF 24-70mm f/2.8L USM 2017年1月19日15:10 板屋雅博 撮影



第二次大戦後、メルボルンに電力を供給した主力発電所であったニューポート発電所のわずかな残存物としてニューポート発電所ゲートハウスの意義は重要である。ニューポート発電所は、ビクトリア鉄道(Victorian Railways)とも重要な関係を持っている。ビクトリア鉄道は、ニューポート発電所から供給される電力を使用してメルボルン近郊鉄道に於けるメルボルン鉄道電化システム(Melbourne electrified railway system,)を推進した。ニューポート発電所は、ビクトリア州電力庁(State Electricity Commission.)の設立にも重要な役割を担った。

  ニューポート発電所ゲートハウスは、エドワード期の公共建築物の傑作建築である。石材を敷き詰めた水路は、電力発電過程で発生する温水を冷却する水を排水する用途であった。

VHD PDF Walking map Newport

Rail Geelong
 
ニューポートAは、石炭火力発電所であり、ビクトリア鉄道局によって新しい鉄道の電化の為に設立された。1912年に設置が認められ、1913年から18年にかけて建設された。最初の電力は1919年に供給された。1948年には発電能力は、90メガワットに増強された。ビクトリア州電力庁(SECV:State Electricity Commission of Victoria.)が州政府によって設立され、ビクトリア州における発電、供給網の整備、営業を任された。電力庁長官が責任を負うことをビクトリア鉄道局は了承したが、その後21年間は、ビクトリア鉄道局が実験を握っていた。
 
電力庁は、独自の発電所が必要となり、ラトローブバレー(Latrobe Valley)のヤルーン(Yallourn)に隣接するオープンカット式採炭場で採掘した褐炭を燃料とする火力発電所を建設した。しかし更に電力が必要になり、ビクトリア鉄道局のニューポート発電所に電力供給を要求した。鉄道では25ヘルツだが、州の一般家庭用は50HZであり、周波数変換器が必要であり、電力供給の問題点であった。周波数変換器は、1923年に作動開始した。


電力庁は、1920年から21年にかけて、2基の15メガワットターボ発電機を備えたニューポートB発電所の建設を開始した。1基を稼働させ、1期はスタンバイさせる方式で、1923年10月に発電を開始し、運営責任は、鉄道局にあった。90メガワットに増強する計画が1937年に政府で認可された。
その後、90メガワットのニューポートCが1940年から48年に建設されたが、第二次大戦の影響で遅延が発生した。

このページのトップへ
inserted by FC2 system