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オーストラリアン・オープン 2011

国枝慎吾

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2011年6月12日(日)
国枝慎吾
全仏オープン French Open
ローラン・ギャロス Roland Garros
フランス France
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2011年オーストラリアオープンでは、5連覇の偉業を達成した、国枝慎吾だったが、201年フレンチオープンでは、準決勝で敗退した。オーストラリアの車椅子テニス事情を、テニスクラシック誌に載せた筆者の記事から抜粋した。撮影は、2011年1月29日全豪オープン車椅子テニス決勝。

撮影データ Canon EOS-5D Mark U
シャッター優先AE AIサーボAF スポット測光 1/800 絞りF5.0 ISO感度 100 露出補正 ホワイトバランス 太陽光 JPG レンズ EF 70-200mm f/2.8L 撮影 板屋雅博

オーストラリアの車いすテニスは、プロ、ジュニアなどと同様にテニス・ビクトリアなどの州組織に所属。 全ての州組織は、全国組織であるテニス・オーストラリアの車いす部門が統括。テニス・オーストラリア車いす部門を頂点としてシステム化しており、簡潔なのが特徴。 テニス・ビクトリアや、テニス・オーストラリアは、オーストラリアン・オープンが行われるメルボルン・パーク周辺の事務所に位置しているので実際の人の動きも透明化されていて、判りやすい。逆に言うとオーストラリアン・オープンを頂点として、車いすテニスを含む全てのテニス組織がシステム化されている。なお、テニス・ビクトリアには、車いす部門以外に、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者の各テニス部門があり、それぞれにプログラムを持っている。トーナメントは、テニス・ビクトリアなど各州で行っているが、各州の連携はウェブサイト管理されており、他州の試合に参加する場合も便利。
 
メルボルンには、200を超える民間のテニスクラブがある。地域などのコミュニティが所有するクラブが大半であり、会費もごく安い。多くのテニスクラブには、車いす部門があり、どこも簡単に加入できる。更に各州には、身体障害者スポーツビクトリア・車いす部門(車いすスポーツビクトリア)などの身体障害者スポーツを統括する組織がある。
車いすスポーツビクトリアでは、毎週、F1グランプリコースとして有名なアルバートパークのビクトリア州総合スポーツセンターで、初心者、入門者向けに車いすテニスの講習会を毎週火曜日の夜2時間、年間44回行っている。初心者向けと云ってもオーストラリア・パラリンピックのコーチ陣が教える本格的なものだ。競技用車いすは、車いすスポーツビクトリアでレンタルすることが出来る。民間のテニスクラブ、テニス・ビクトリア・車いすテニス部門、車いすスポーツビクトリア。この3つの組織は、相互に連携しており、車いすテニスをサポートするシステムとなっている。

メルボルンで車いすテニスを始めたと思った場合には、どうすれば良いのか?
上記の組織に従っていくつかの方法がある。いちばん簡単な方法は、住んでいる地域のテニスクラブに問い合わせること。テニスは、最も普及しているスポーツのひとつであり、都市近郊ならば、車で5分も走れば、テニスクラブがある。会費は、年$100−$200程度だ。車いすテニスのチームがあれば、直ぐに歓迎される。チームが無い場合には、プレー相手を自分で見つけるか、クラブで見つけることになる。シティに住んでいる場合など、近くに適当なテニスクラブが無い場合には、テニス・ビクトリアに照会すること。テニス・ビクトリアでは、テニスクラブやプレー相手を探すサービスを行っている。年間$24を支払ってテニス・ビクトリア車いす部門の会員になれば、eメールで車いすテニスのニュースレターが配信されるなど各種の得点がある。
 
地域クラブの会員になれば、自動的にテニス・ビクトリアの会員に登録される。
会員には、プレー中の怪我に対する保険やオーストラリアン・オープンチケットの優先購入、他のグランドスラムの入場券購入、テニス道具・用品の割引購入、オーストラリアン・テニス・マガジン誌の割引購入、ヘラルド・サン誌の割引購入など多数の得点があるのも魅力。
 オーストラリアでテニスや車いすテニスを楽しむならば、テニス・ビクトリアのメンバーになるのがベスト。いずれの場合もウェブサイトで調べて、eメールでコンタクトするのが早い。


グランドスラムに車いす部門が設置されたのは、オーストラリアン・オープンが2002年と最も早い。 オーストラリアン・オープンに刺激を受け、他のグランドスラムは、全英(2005年)、全米(2005年)、全仏(2007年)と相次いで設置された。オーストラリアン・オープンに一番早く設置された理由は、テニス・オーストラリアへの組織の一元化、簡素化にある。2000年のシドニー・オリンピックでは、史上初めて、オリンピックとパラリンピックがひとつの組織委員会で実施された。このような簡素化し明快な組織が、伝統あるグランドスラムに車いす部門を設置するという柔軟な回答を出した。


シングルスで、準優勝のステファン・ウデ選手(フランス)と.。

伝統を重視する英国、フランス。ビジネスに縛られたアメリカなどとはまったく発想を異にするオーストラリアだからこそ出せた結論だ。
このオーストラリアで日本の国枝慎吾選手が4連覇したことは、誠に意義がある。
吉田記念テニス研修センターという国際的にも優れた設備が日本にあり、そこで育った国枝慎吾選手が世界に通用することが証明されたからだ。

しかし世界は、統合と簡素化へ向かっていることは明らか。
オーストラリアも良いところばかりではないが、この点では一歩リードしていると云える。

 全仏オープン(Wikipedia)

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