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オーストラリアン・オープン 2013

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2013年1月10日(木)
オーストラリアン オープン 2013
Australian Open Tennis
メルボルンパーク Melbourne Park
メルボルン
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今年の全豪オープン本戦は、1月14日から始まる。日豪プレス紙1月号に寄稿した筆者イタさんの記事を記載する。筆者も1月12日より現地入りして豪州オープンを撮影、取材する。

撮影データ Canon EOS 5D シャッター速度優先AE スポット測光 1/800 絞りF10.0 ISO感度 100 露出補正 くもり JPG レンズ EF 70-200mm f/2.8L USM +1.4x
2011年1月16日 板屋雅博撮影

 2013年の世界のビッグスポーツの幕開けとなるテニス全豪オープンは、メルボルン・
パークで1月14日から27日まで行われる。男子シングルス4強の激突で誰が1歩抜け出るかが興味の中心だが、日本期待の錦織圭が世界のトップにどれだけ戦えるかも見逃せない点だ。日本勢は男子3人、女子3人が本戦から出場とかつてない活況を呈している。
男子4強が激突
 2012年の4大大会グランドスラム(GS)
では、全豪オープン、ノバク・ジョコビッチ
(セルビア:25歳、世界ランク1位)、全仏
オープン、ラファエル・ナダル(スペイン:
26歳、同4位)、ウィンブルドン選手権、ロ
ジャー・フェデラー(スイス:31歳、同2位)、
全米オープン、アンディ・マレー(英国:25
歳、同3位)と4強が優勝を分け合う珍しい
年となった。2013年は誰が飛び出るのか
全豪オープンに世界の注目が集まる。

  優勝候補No1はジョコビッチだろう。11
年、12年と全豪を連覇しており、今年3連覇
がかかる。11年はGS3勝と現在、一番安定
性がある。オールラウンド・プレーヤーだが
パワーもある。
 マレーは、地元ウィンブルドンで準優勝
に泣いたが、直後のロンドン五輪では金メ
ダルを獲得。続く全米オープンで悲願のGS
初優勝。近代テニス発祥の国に76年ぶり
にGS優勝をもたらした。英国系で応援も多
い全豪オープンでの活躍が期待される。
 

 フェデラーは、GS優勝17回と抜群の実績
を誇るが11年には優勝はなく、昨年のウィ
ンブルドンで久しぶりの復活を果たした。
往年のパワーはないが、熟練したオールラ
ウンド・プレーヤーだけに優勝の可能性は
十分にある。単にテニス選手に留まらない
素晴らしいスポーツ界のスターであり、ぜ
ひその洗練されたプレーを堪能したい。
 ナダルは、昨年ウィンブルドンで100位
の選手に2回戦で敗退した。膝の故障が原
因だが、直後のロンドン五輪から試合を欠
場している。長く維持した世界ランク2位以
内も4位まで後退している。09年の全豪覇
者であり、ラテン系以外での人気も高く、欠
かせないスター・プレーヤー。全豪にはぜ
ひとも元気な姿を見せてほしい。

 活躍が期待される日本勢
 注目の錦織圭(22歳、同19位)は12年
は目覚ましい活躍を見せた。
 全豪ではオープン化以降、日本人選手と
して史上初めてシード権を獲得。体力消耗
戦であるGSでは1回戦、2回戦でストレート
勝ちすることが重要なポイントだが、第24
シードに選ばれ、上位進出のチャンスが広
がった。結果はベスト8まで進出し、日本のテニ
ス界を多いに沸かせた。日本人選手として
全豪ベスト8は80年ぶり。GSでの日本男子
のベスト8は1995年のウィンブルドン大会
の松岡修造以来17年ぶりとなった。
 錦織の活躍はメルボルンの有力紙エイ
ジでも1面で報じるなど話題となった。ベス
ト4ではマレーにストレートで敗れ、トップ
4との力の差は歴然であったものの、つい
にトップ4とGSで戦うレベルに成長した。

 10月に有明コロシアムで行われたジャパ
ン・オープンでは世界ランク6位のトマー
シュ・ベルディハ、1 5位のミロシュ・ラオ
ニッチを破って、日本人として史上初となる
ツアー2勝目を達成した。
 全豪には世界ランク19位で挑むことに
なりベスト4以上を期待する声が強い。23
歳とトップ4人に比べて若い世代に属し、全
豪の結果によってはトップ10に食い込める
チャンスでもある。13年度中にGSでの優勝
も期待したい。

 
 イージー・ボールをジャンプしてスマッ
シュする錦織の得意技として有名な「エアーケイ」は上位相手にはほぼ使わないので、大会前半の下位相手の時に見てみたい。
 添田豪(28歳、同60位)は、昨年は全仏、
全英、全米で戦い、ウィンブルドン1回戦で
初勝利を飾っている。60位とランクも上が
り、ぜひとも2回戦突破を狙いたいところ。
 両手打ちのバックハンドが上手い。

 伊藤竜馬(24歳、79位)は、一昨年の全
米からGS5大会連続出場、ロンドン五輪も
含め大舞台の経験を積んできている。昨年
の全豪では1回戦を勝利しており、今年は2
回戦、3回戦と勝利を重ねたいところだ。全
豪では、1回戦の賞金が2万ドル、2回戦で
は3.3万ドルと日本の大会の優勝賞金並み
でランキング・ポイントも大きい。ぜひとも
勝利を重ねてほしい。豪選手の注目は
 オージー選手ではマリンコ・マトセビッ
チ(27歳、同49位)、バーナード・トミック
(20歳、同52位)と、レイトン・ヒューイット
(31歳、同83位)3人が出場する。
 

 トミックは昨年の全豪では4回戦まで進
んでフェデラーに敗れたが、豪州のファン
を大いに喜ばせた。若いが試合経験も十
分あり今年は上位進出が期待される。
 ヒューイットはかつての世界ランク1位。
長く豪州テニス界を引っ張ってきた大御所
だ。豪州で最も尊敬される現役選手であり、現役として頑張るその姿には感動を覚える。

  見逃せない女子シングルス
 女子シングルスの注目はセリーナ・ウィリ
アムズ(米国:31歳、同3位)。10年の全英
以降は、故障で鳴りを潜めていたが、昨年
はウィンブルドン、ロンドン五輪、全米と連
勝を重ねており、久しぶりに好調を取り戻
している。パワーあふれるプレーとプレー
中に物議を醸す発言と罰金、派手なウエア
などでマスコミ・ネタが尽きない。GS15勝
は現在の選手の中では圧倒的。膝の故障
さえなければ優勝の可能性はあるが、案外
もろい面もある。

 美貌で観衆を引きつけるマリア・シャラ
ポア(ロシア:25歳、同2位)だが昨年の全
仏を制して生涯GSを達成。2008年の全豪
では圧倒的な強さで優勝したが、その後は
長くスランプが続いた。11年ウェインブル
ドンで決勝に進出するなど上位を伺い、12
年の全仏で久しぶりのGS優勝を飾った。
 米国のプロ・バスケットボール選手と婚
約していたが、12年に破談になったと発表
されている。トップモデルでもあり、ファッ
ショナブルなウエアには関心が集まる。
 ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ:23
歳、同1位)は昨年、全豪で優勝、ウィンブル
ドンでベスト4、全米で準優勝と安定した成
績を残しており、全豪でも上位進出は間違
いなく、GS2勝目を狙う。

 オージー選手ではサマンサ・ストーサー
(28歳、同9位)に期待がかかる。11年の
全米で念願のGS初優勝を飾った。12年は
目立った活躍はないが、セリーナに次ぐと
云われるパワーや、落ち着いた試合運びな
ど、実力は依然としてベスト4に入る。
 クルム伊達公子(42歳、同99位)は昨年
のツアーでほとんど勝てずに150位まで落
ちて心配させたが、最後の3戦でポイント
を獲得。最終戦のドバイでは優勝して110
ポイントをゲットしたことにより、全豪オー
プンでのストレート・インがほぼ決定した。
42歳での1勝を世界が注目する。

 森田あゆみ(22歳、同86位)は昨年、全
仏、全英、全米で2回戦へ進出と活躍した。
全豪では11年に3回戦まで進んだ経験も
あり、4回戦以上を期待したい。
 土居美咲(21歳、同95位)も11年の全英
で3回戦進出の経験あり。日本チームでは
一番の若手だ。
車いすテニスの王者
 日本の国枝慎吾(28歳、同2位)は、GS8
勝と車いすテニス界の王者でありフェデ
ラーでさえ敬意を払うほど。11年の全豪と
全仏で優勝してからは右ひじの故障のた
めに試合から離脱していが、12年5月から
復帰し、ロンドン・パラリンピックでは北京
オリンピックに続いて2連勝。全豪でも必ず
や優勝してくれるだろう。

  2週間と長い全豪オープンではどの日を
見たらいいのかを迷うが、できるだけ早い
日程をお勧めする。特に初日と2日目で全
選手が登場。後半は良いカードが集中する
が、試合数が少なくなるために会場はさび
しくなってくる。
 朝から効率よく会場を回れば、10試合
以上は回ることが可能。世界の一流選手の
プレーを間近に見れば、豪州オープンの大
ファンになること請け合いだ。
 全豪オープンは時には異常に高温に見
舞われることがある。水分補給、帽子、サン
グラス、日焼け止めは忘れずに。売店で豪
州オープンのロゴ入りグッズを買えば記念
にもなる。

 ■会場
 会場のメルボルン・パークには、ロッド・レーバー・アリーナとハイセンス・アリーナの2つの開閉式屋根付きのセンター・コートがある。ハイセンス・アリーナ側に協賛企業が
設置した娯楽テントや、ライブ・バンド演奏付きのビア・ホールなど楽しい催し物がたくさん出ている。化粧品会社のお土産付き無料メイクアップ・コーナーは女性に人気。
 ロッドレーバー・アリーナの隣ではプロ・ショップによるガットの交換の様子が間近に見られるコーナーがある。有名選手のラケットを短時間でメンテする様子は興味深い。
 飲食売店もたくさんあるが、どこも長蛇の列なのでシティでハンバーガーや水などを買って行くのも手だ。

 ■アクセス
 会場のメルボルン・パークまでは、トラム、電車、バスなどの交通があり、全豪チケットを持っていればすべて無料。フリンダース駅から歩いて10分ほどなので、ヤラ川の散策を兼ねて歩くのも悪くない。
■チケット
 一般チケット(グラウンド・パス)では、2つのセンター・コート以外はすべて入れる。午後5時以降に入れるチケットや、3日間有効券など多種の割引券がある。

 
■Australian Open
会場:Melbourne&Olympic Park Trust, Batman Ave.,Melbourne VIC
日程:1月14日(月)?27日(日)
Web: australianopen.com


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