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コリンズ通りC

A.C. Goode House National Mutual Life Association Building

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クイーン通り

ジョセフ・リード

1890-1899

2017年6月25日(日)
A.C. Goode House
National Mutual Life Association Building
コリンズ通り Collins Street
メルボルン Melbourne
この場所の地図 Google Map

コリンズ通りとクイーン通りの交差点は、メルボルンだけに留まらず豪州の金融界の中心地とも云える場所である。A.C. Goode Houseは、またの名をNational Mutual Life Association Building(NMLA)という。

撮影データ Canon EOS 5D 絞り優先優先AE 評価測光 絞り8.0 1/80秒 ISO感度100 露出補正 -1/3 オート JPG レンズ EF 70-200mm f/2.8L /USM 撮影:板屋雅博 撮影2017年1月21日 16:59


 A.C. Goode House
住所:389-399 Collins Street
建築家:ジョセフ リード Joseph Reed
Wright, Reed & Beaver
建築年:1891年 1903年に増築
建築期:ビクトリアン
建築スタイル:ゴシック、Federation Gothic style
用途:事務所、銀行
9階建て
高さ:屋根まで40m、小塔まで41m

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 NMLAは、新しい時代のビジネス保険株式会社として1869年に設立された。生命保険、火災保険、一般保険を取り扱った。John Montgomery Templetonが同様の保険を始める数ヶ月前であった。最初の事務所は、コリンズ通りとマーケット通りの交差点にあったマーケットビルの中にあった。NMLAは1881年にコリンズとクイーンの交差点に土地と建物を購入し、更にコリンズ通り側の隣接地を購入した。新しい本社ビルの建設コンペには43もの応募があり、Wright Reed建設事務所とアデレードの Beaver事務所が残った。建設会社のコンペは1890年に行われ、 Robert Gamlin社が請け負った。1891年7月28日に礎石が置かれ、1893年3月に完成した。コリンズ通り側ファサードとクイーン通り側ファサードは3つのベイ(部分)を持っている。


 その後NMLAビルのクイーンズ通り側隣接地を購入してオリジナルの建物のデザインに沿って新たに1903年に増築された。NMLAビルはフェデレーション期のゴシック様式で建設されており、レンガの上部にベージュ色のフリーストーンとコンクリートの建材で作ったファサードは、重厚な作りこみが施されている。

  入り口ロビーは、彫刻を施した大理石を使用しロビーの天井は、むき出しの梁とパネル張りのアーチ天井となっている。建物内部のメインホールの天井は、全面に装飾がほどこされていて、コリント式の自立柱の上にしっくり塗りのはりとパネルで構成されている。事務所部分は、1893年建設当時のしっくい装飾と木枠構造を開口部に現存している。

 NMLAビルは、フェデレーション期ゴシック様式ビルを代表する建物である。
あふれんばかりの造形美、屋根角部の小塔、欄干付の切り妻、石造りの仕切りなど同様式の特徴を数多く備えている。インテリアも同様でエキゾチックな腰羽目(壁の下から1mくらいに張った装飾用の羽目)、灰色や赤色の大理石の柱、入り口ホールの白い大理石の階段などが見られる。完璧な装飾をした天井をもった精巧な銀行業務用の事務室がある。

  NMLAビルはす向かいには、著名建築家ウィリアム・ワーデル(William Wardell)設計のES & A Bank、天才建築家ウィリアム・ピット(William Pitt)設計のMelbourne Stock Exchangeと Melbourne Safe Deposit Buildingの名建築物が並ぶ。NMLAビルは、1800年代後半に建てられた重厚な高層のゴシック建設が目立つ銀行集中地区を最後に飾る建物であった。NMLAビルは、ビクトリアに於ける金融機関の隆盛に関連して重要な建物である。

 1869年に設立されたNMLAは、オーストラリアでは初めてのビジネス保険をビクトリアで提供を始めた。マーベラスメルボルンと言われた時代の隆盛する金融勢力を代表する金融機関であった。またメルボルンの土地投機と建築ブームの頂点時期に立てられた。しかしながらオープン直前の1893年には財政危機が起こった。

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