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ペリグリーニ エスプレッソ バー

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2012年4月29日(日)
ペリグリーニ エスプレッソ バー
Pellegrini's Espresso Bar
バーク通り Bourke StreetとCrossley Streetの角 メルボルン Melbourne
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バーク通りのペレグリーニエスプレッソ バーは、メルボルンの数多いカフェの中では、老舗中の老舗と云っていい名店。独特のスタイルを持ったカフェで、お客も常連ばかり。バーと云ってもお酒類は一切無い。老舗だから昔ながらの止まり木式のカウンターをバーと呼ぶ。いつも込みあっているが、少し待っていると直ぐに席は空く。コーヒーを飲んだら、長居をせずにさっと帰るのが、ペレグリーニスタイル。

撮影データ Canon EOS 5DMarkU 絞り優先AE 評価測光 絞りF4.5 1/160秒 ISO感度 100 露出補正 オート JPG レンズ EF 24−70mm f/2.8L USM
2012年3月15日板屋雅博 撮影

 ペリグリーニは、1954年にオープンしており、既に60年近くこの場所で営業している。店の調度品、デザインも昔のままで、必要最低限以外の改装はなされていない。
メルボルンに1955年に最初にエスプレッソマシンを輸入したのはビクトリアマーケットにあるドンカミロレストラン(Don Camillo Restaurant)。

右側がCrossley Streetで、抜けるとチャイナタウン(Little Bourke Street)

 現在のコーヒーの原点は、エスプレッソにある。エスプレッソマシンは、1843年にEdward Loysel de Santeisによって発明されている。1855年のパリ万国博覧会に出品され人気を博したことから欧州に広まった。当時のエスプレッソは、蒸気の圧力だけで抽出するタイプであった。現在のエスプレッソマシンの原型は、1900年代の初めにイタリアミラノで作り出された。 エスプレッソに革新をもたらしたのは、1961年に発売されたイタリアFaema社のE61モデル。E61は、90度の温度、9気圧に加圧するなど、現在のエスプレッソの標準、原型を作った。供給側の常温の水を高温ポンプの冷却水として使用しながら、加温するというサーモサイフォンサーキット(thermosyphon circuit)という優れたシステムを採用している。
Faema社は、イタリア ミラノにCarlo Emesto Valenteによって1945年に設立されたエスプレッソマシンのメーカー。

 エスプレッソは、コーヒーの粉に熱湯を高圧をかけた状態で抽出した凝縮されたコーヒーのこと。
厳選されたコーヒー豆、焙煎(ロースト)、粉砕、ブレンドなどの微妙なバランスを取ることにより、おいしいコーヒーが飲める。

メルボルンではコーヒー豆の焙煎は、イタリア式に深煎りが好まれる。
挽き方は、極微粉と微粉の中間ほどで、店によって異なるが、ペレグリーニでは、微分の少し前のごく細挽きまで挽いている。

スパゲッティやラザニアなどのイタリア料理も有名。
メイン料理で$14ほどと格安で、量も多いのが人気。

 メルボルンでは、エスプレッソコーヒーをショートブラックと呼ぶ。
ショートブラックエスプレッソ(Short Black Espresso)を略した云い方。一般的(日本では)には、8gの豆を使い30mlのエスプレッソを抽出するが、ペリグリーニでは12gの豆で60ml〜80mlを抽出している。ペリグリーニのシングルショットは、日本のダブルショットに当たる。

コーヒーの粉は、ホールダーと呼ばれる鋳物の器具にタンパーで詰め込む。
コーヒーの粉をフィルタに入れて、適度な力で押さえるのをタンピングと言う。
押さえるのに使う器具を「タンパー」と呼ぶ。
ホールダーの下部には、金属(主にステンレス製)のフィルターが着いている。ホールダーの中で、数秒間、熱湯とコーヒー粉が混ざり合った後、抽出が始まりまる。
ホールダーの中のフィルターを通して抽出されたエスプレッソがふたつの孔から出てくる。
1杯のエスプレッソが抽出されるのには20秒〜30秒がかかる。

 ロングブラック  Long Black-Espresso   
メルボルンのコーヒーの基本スタイルのひとつがこのロングブラック。
豪州及びニュージーランドで見られる。エスプレッソマシンで90℃に加熱したお湯にエスプレッソのダブルショットを加えて抽出したもの。
昔からジェントルマンのコーヒーと呼ばれ、本物のわかるコーヒー好きの人たちに好まれている。

ロングマキアート Long Macchiatto 
ロングブラックにミルクフォームをトップに加えたもの。
ロングブラックの味を楽しみながらもミルクの柔らかさも味わえる。
まろやかで飲みやすく、ミルクの味もあまり無く誰にでもおススメ。
クレマの下に、ミルクがふわふわと雲のようにゆれている。


 フラットホワイト  Flat White  
ロングブラックに泡立ってないミルクを加えたもの。
穏やかなコーヒーの味が楽しめる。
カフェラテや、カプチーノよりもすっきりした味わい。
ライトブラウンのクレマもしっかりと表面を覆っている。

ショートマキアート  Short Macchiatto 300円
シングルショットのエスプレッソ(ショートブラック)にミルクフォームをほんの少し加えたもの。
エスプレッソの苦味を抑えて、コクを出している。
食後やお酒のあとにも最適。


 カプチーノ  Cappuccino 
メルボルンでも人気の高いコーヒー。
シングルショットのエスプレッソによくフォームされたミルクを加えチョコレートパウダーを振り掛ける。
ココアのかおりと、きちっとしたエスプレッソの味わいをふんわりとしたミルクフォームがつないでいる。

カフェラテ  Caffe Latte  300円
エスプレッソの量は、ショートブラックの半分。イタリア式に呼ぶと、「リストレット」と言う。それに ミルクフォームを加えたもの。
カプチーノよりもミルクの量が多い為に更に柔らかく飲みやすく、日本人にもオージーにも人気。ミルクがたっぷり入り、誰にでも気軽にエスプレッソを楽しめる。クリーミィなミルクフォームでまろやかな味。

左は、ペレグリーニの店長マリオさん。右は、マウントイライザにあるOyama24レストランのオーナー尾山さん。

  ペレグリーニの昔ながらのロゴ。
現在のオーナー シスト マラスピーニャ Sisto Malaspinaさんの署名入り。
シストさんは、1964年にイタリアの北部の小さな村からメルボルンへ移民してきた。
タイヤ工場などで働いて資金を貯めて、1974年に先代からペレグリーニを受け継ぎいでいる。
先代からの伝統をしっかり受け継いて、真のエスプレッソベースのコーヒーをメルボルンのコーヒー好きのお客さんに提供している。



 

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Herald Sun  The Age  

Melbourne Culinary Journal



Marvellous Melbourne (メルボルンのカフェの伝統の解説)

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