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ラトローブ通り

メルボルン最古のトラムW型トラム

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2010年1月04日(月)
メルボルン最古のトラムW型トラム
W Class Tram in La Trobe Street
ラトローブ通り La Trobe Street
メルボルン Melbourne
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今日のメルボルンは、一日中快晴。気温は28度まで上がると予想されたが、過ごしやすい一日であった。明日も28度の予想。

Canon EOS 40D 絞り優先AE スポット測光 絞りF9.0 1/250秒 ISO感度 100 AWB 画質圧縮率 CR2
レンズ EF 24-70mm f/2.8L USM


 ロンズデールを走るW型。車両番号971番。

現在、メルボルンのトラムシステムは、世界最大の規模を誇っている。総路線距離は245km、トラム車両数500台、ルート数28、トラムストップ数1,818。かつてシドニー、ブリスベン、アデレードで主要都市交通として走りまわっていたトラムも、アデレードの1路線が残っているのみ。メルボルンでは現在でも路線距離を拡大しており、更に海岸を走るビーチロード線も計画されている。メルボルンの市民は、他の都市とは異なる道を選んでいる。
トラムの動力源は、トラムの頭上にある電線から供給される600ボルトの電力。トラムや設備は、ビクトリア州政府が所有している。トラムの運営は、民間のヤラトラム(Yarra Tram)。ヤラトラムは、2009年11月からKeolis DownerEDI社が運営。

 フラッグスタッフガーデン前のラトローブ通りを走るW型トラム。

メルボルンのトラムは、1885年のケーブルトラムに始まる。当時は、電気がない時代。道路の地下にパイプ管を埋め込み、その中を鋼鉄製のケーブルを時速10kmほどの速さで動かして、トラムはそのケーブルに捕まって走る方式。市内各所にパワーステーションを設けてあり、そこで石炭火力によって蒸気機関を動かして、大きな円状のフライホイールを回転。ケーブルはこの回転するフライホイールによって動力を与えられるシステム。
石炭蒸気機関を動力源とする世界最大のトラムネットワークを作り上げたのは、1800年代後半植民地時代のメルボルン市。本国の首都ロンドンを上回っていたのだから驚きである。

 メルボルンシティだけに限らず北はエッセンドン、南はセントキルダ、ブライトンまでダブルトラック、17ルート、総延長103km、総車両1200台という世界最大クラスのケーブルトラムシステムであった。トラム車両数は、現在の2倍以上。当時の技術先進地区はもちろんヨーロッパ。世界の反対側のメルボルンに世界最大のトラム網を作り上げたのはゴールドラッシュによる経済力だ。
ケーブルトラムは、1885年11月11日に始まって1940年10月26日まで55年間に渡りメルボルン市民に親しまれてきた。

電気式のトラムもメルボルンの一部の路線で、比較的早くから導入。本格的に電気式トラムが導入されたのは官営のMelbourne and Metropolitan Tramways Board(MMTB)が設立された1920年。それまでは民間会社各社がバラバラに車両。それを始めて統一した形式を導入したのが、Wクラストラム。メルボルンの電気式トラムの統一型第一号の型式と云える。

 Wクラスは、1923年に導入。W型の改良型としてW2、W5、SW5、W6、W7がある。
改良型も含めると全部で748台が建造されている。
メルボルンに現存する最古のトラムは、1936年製SW5型、車両番号728号でシティサークルの無料トラムとして現在も活躍している。この懐かしいメルボルンの最古のシリーズも近いうちに、引退を余儀なくされ、メルボルンから姿を消そうとしている。
最大の原因は、階段が高くて、お年寄りや身体障害者が使いにくいことによる。


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