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クイーン通り

ジョン・スミスの居宅 John Smith House

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2012年7月10日(水)
ジョン・スミスの居宅
John Smith House
クイーン通り Queen Street
メルボルン Melbourne
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ジョン・スミスの居宅は、シティに残る最も古い建物のひとつ。施主、建築家、史実などの記録が的確に残っている。保存状態も非常に良い点でも注目される。

撮影データ Canon EOS 5D 絞り優先AE 評価測光 絞りF5.0 1/125秒 ISO感度 100 露出補正 オート JPG レンズ EF 24-70 mm f/2.8L USM
2010年12月26日17:19 板屋雅博 撮影



  ジョン・スミスの居宅
John T. Smith House
住所:294-308 Queen Street
建設:1848 - 1858
建設目的:住所
現在の用途:事務所
階数:3階
建設期:ジョージアン
建築家:Charles Laing
建設様式:Colonial Georgian/Regency style
植民地ジョージアン



Walking Melbourne

 ジョン・スミスの居宅は、2段階に分けて建築されており、最初は1848年から1852年にかけてジョン・スミスの居宅として2階建てで建築された。
ジョン・スミスは、居酒屋の経営者であり、劇場での役者でもあり、後の1859年から1862年にかけてメルボルン市長になった。デザイナーにはメルボルンの初期の頃の名建築家チャールズ・リャンを起用している。1850年の時点では、レンガ作りで4つの完成した部屋とキッチンと納戸を持つ家として建てられ、4つの部屋は未完成のままであった。1858に第二段階が完成したが、3階の部分と外観部分が完成した。建築家は、David Ross。
建物は、後に政府が役所として使用した。



 シティに現存している最も古い建物として非常に重要である。メルボルンの初期の建築様式を知る上で極めて貴重でユニークな建物である。シンプルな左右対称形状や、ジョージア時代のアーチ形装飾模様、厳粛で詳細にわたるデザインなどが特徴的である。灰色の色彩レンガで化粧した正面ファサードは、初期のメルボルンではごく普通であった。正面ファサードは当時のままに良く保存されている。内部の階段なども建設当時のままの姿を保っている。

ビクトリア州遺産 B0117

 ジョン・スミスは、1840年にシドニーからやってきた。最初の仕事は、政府の仕事としてアボリジニの人々に西洋式の教育を教えることであったが直ぐに辞め、独立した仕事を始めた。雑貨屋を始め、次には居酒屋を経営した。植民地では酒のビジネスは大きな利益をもたらし、酒屋を持つホテルを何軒も経営した。その結果として都心で大きな居宅を構えるに足る資産を持つこととなった。
ジョン・スミスの居宅は、ほとんどが1848年に完成し、一部が1849年に付け加えられた。1858年に3階部分を付け加え、外装にも大金をかけて大改装しているが、その頃にはメルボルンでも最も裕福な実業家となっていた。その後、政治家に転身し、市長となっている。市長を数期務めた後、ビクトリア植民地政府の議員を20年ほど勤めた。その後、州政府が購入し、財務省や厚生省の役所として使用した。

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