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エイボンバター工場 AVON BUTTER FACTORY

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メルボルンの建築史1930-39

メルボルンの産業史

2018年3月11日(日)
エイボンバター工場 
AVON BUTTER FACTORY
ニコルソン通り 
フィッツロイ Fitzroy
メルボルン Melbourne
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世界遺産カールトンガーデンからニコルソン通りを北上した場所にエイボンバター工場がある。スパニッシュミッション様式の優雅なバター工場である。

撮影データ Canon EOS 5D MarkU 絞り優先AE 評価測光 1/500 F7.1 ISO感度 100 オート 露出補正 -1/3 JPG レンズ EF 24-70mm f/2.8L USM
2018年1月14日15:15 板屋雅博撮影

VHD

  FORMER AVON BUTTER FACTORY
住所:218-222 NICHOLSON STREET FITZROY
建築家: I G Anderson
施主:Fitzpatrick Bros Pty Ltd,
建築請負: George Collings Pty Ltd
建設年:1932年
建築期:両大戦中間期 Inter-war
建築様式:スパニッシュミッション



 エイボンバター工場は、小規模の産業・商業用建物であり、工場、事務所、小売り売店があり、工場の製品であるバター類を販売していた。建築家IGアンダーソンが、施主フィッツパトリック兄弟会社の依頼により設計され、ジョージコリングス会社によって1932年に建設された。フィッツパトリック兄弟会社は、バターの製造、販売会社であり、他の場所にもバター製造工場を保有していた。それはランセスフィールド(Lancefield)にあった。最新鋭の工場がビジネス拡大の為に必要であるという近代的な考え方に基づいて建設された工場であった。


 この建物は、これまでの工場の伝統的なデザインを一新した革新的な工場と云われており、非常に興味深いデザインをしている。ビクトリア州で最も優雅なバター工場と表現されている。バター工場の主原料のひとつであるクリームは、南オーストラリア州やNSW州の牧場から取り寄せられている。著名な。建築家IGアンダーソン(1890-1963) は、ジロンで生まれ育って、建築を勉強している。ブランズウィック市場のデザインの仕事を勝ち取って40歳1930年にメルボルンに来ている。ブランズウィック市場はVHRに登録されている名建築物である。IGアンダーソンは、ビクトリア州のあちこちで市場、工場、映画館、集合住宅、商業施設、ゴルフクラブ、住宅の設計をしている。




 IGアンダーソンは、、広いタイプの建築様式を採用しているが、1930年代にはモダン様式を多用しており、同様式では最先端の建築家と云われた。
1940年頃にはエイボンバター工場は、Metropolitan Dairy Farmers Ltd,の所有となった。同社は、ライセンスを取ってこの工場からミルクの配送業を行った。その頃からナイフ製造工場など多様な目的に使用されている。

エイボンバター工場は、中世風の外観を持つ持ち送り積み構造のタワーがある1階建て左右非対称の煉瓦を建材に使用した両大戦中間期のスパニッシュ・ミッション様式の建物である。建物前部にある売店へのドア部分は、ゴシック様式のアーチを配置してある。
豊かな煉瓦の使用と品質は特筆すべきものがある。


  クリーム色の煉瓦を壁に使用し、ひすい色緑のモルタルを使用、燃える太陽の縁取りをして、赤い煉瓦で星の図形を描いている。屋根は、スペインコルドバ産のタイルを使用している。
エイボンバター工場の裏手の屋根材は、波形のアスベストのシートあり、長い尾根形の送風機も設置してある。内装は、大幅に変更されたが、外観は、多少の変更があった程度である。前部にあった庭に設置された煉瓦製フェンスは取り外されている。

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