セントビンセント男子孤児院
St Vincent de Paul's Boys' Orphanage
住所：Cecil Street And Napier Street South Melbourne,
建築用途：孤児院
現在の用途：事務所
建築家： George and Schneide
建築年：１８５７年
建築様式：ルネッサンスリバイバル
建築家のGeorge and Schneiderは孤児院をイタリアン様式で設計し、中央部にタワーを配置した。左右のウィングにはそれぞれ男子寮、女子寮と教室を配置した。１３名の男子孤児が１８５７年に入居したが、女子寮、バスルーム、洗濯場、キッチンなどは１８５８年まで未完成であった。１８５８年１０月には６０名の男子と女子の孤児たちがが入居した。しかし十分なスペースが確保できないため、男子寮と女子寮を完全に分離することは難しかった。その為、新たに女子寮を他の場所に確保するための妖精が当局に出された。１８６１年にシスターズオブマーシー修道会が孤児院の運営を引き継ぎ、１８６４年に少女たちを近隣のセントビンセント女子孤児院に移動した。１８６８年と１８７４年にセシル通り側に大規模な両ウィングが増設された。クリスチャンブラザーズ修道会がシスターズオブマーシー修道会に代わって孤児院の運営を引き継いだ。
サウスメルボルンにあるセントビンセント男子孤児院は、１８５７年に設立された。１８５０年頃までは３万人程度の人口であったのが、１８５１年のゴールドラッシュ開始により人口が３０万人を超えた。それに伴いメルボルンの恵まれない子供たちの福祉施設建設が必要であった。このためビクトリア植民地カトリック教会が中心となって極貧の子供たちに宗教教育を行うことも目的のひとつであった。１８５４年にセントビンセント
デ ポール ソサエティーのメルボルン支局が設立された後、カトリック教会の副大司教（Vicar-General）は、当局に対してカトリック孤児院の土地の付与を請願した。１８５５年６月、エメラルドヒルと呼ばれたサウスメルボルンのセシル通りとラグラン通りの交差点に２エーカーの土地が確保された。また６００ポンドが建設資金として付与された。
セントビンセント男子孤児院
建築家のGeorge and Schneiderは孤児院をイタリアン様式で設計し、中央部にタワーを配置した。左右のウィングにはそれぞれ男子寮、女子寮と教室を配置した。１３名の男子孤児が１８５７年に入居したが、女子寮、バスルーム、洗濯場、キッチンなどは１８５８年まで未完成であった。１８５８年１０月には６０名の男子と女子の孤児たちがが入居した。しかし十分なスペースが確保できないため、男子寮と女子寮を完全に分離することは難しかった。その為、新たに女子寮を他の場所に確保するための妖精が当局に出された。１８６１年にシスターズオブマーシー修道会が孤児院の運営を引き継ぎ、１８６４年に少女たちを近隣のセントビンセント女子孤児院に移動した。１８６８年と１８７４年にセシル通り側に大規模な両ウィングが増設された。クリスチャンブラザーズ修道会がシスターズオブマーシー修道会に代わって孤児院の運営を引き継いだ。
１８６０年代の孤児たちの日常だが、朝６時に起床し祈りと院内の清掃作業、７時半から朝食、朝９時半から午後４時までが学校の授業が行われた。授業に付け加えて、学校の補修作業や庭の手入れなどの作業を行った。年長の子供たちは、幼い子供たちの世話なども行った。軍事軍事教練や行進ドラム、パイプバンドなども導入され、セントビンセント孤児院のバンドは１９００年代初めにはメルボルンの社会で有名になった。宿泊寮は込み合っていて、ベッドは２列に並べられていて、一方の端に小さな窓があり、隣接する部屋から舎監が監視していた。両世界大戦時や不況時には孤児院の孤児数は増加し２２０名から２４０名の少年たちでいつも満杯の状態となった。孤児院の建物規模を広げる要望により両ウィングにバルコニーが作られ、最初の建物は１階建であったが、２階も増設された。
１８９４年、木製のホールが敷地の裏手に建設された。１９０５年にはウィリアムモンゴメリー作のステンドグラス窓ガラスを持ったチャペルが建設された。１９３５年に外壁に洞窟が加えられた。