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フレミントン地区

ニューマーケット家畜販売所、食肉処理場

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2013年12月08日(日)
ニューマーケット家畜販売市場、食肉処理場
Newmarket Saleyards And Abattoirs
レースコースロード Racecource Road
ニューマーケット Newmarket
メルボルン Melbourne
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フレミントン地区は、競馬場に関係する施設が多いが、ニューマーケット家畜販売所、食肉処理場は、ビクトリアの家畜の物流の要とも云える重要な拠点であった。ビクトリア市場とも関係しており、初期のメルボルンの台所への供給拠点であった。

撮影データ Canon EOS 5DMarkU 絞り優先AE 評価測光 絞りF11.0 1/160秒 ISO感度 100 露出補正 -1/3 オート JPG レンズ EF 24−70mm f/2.8L USM  2010年12月30日18:20 板屋雅博 撮影

1835年に西欧人の移民が始まったが、当初から大量の牛、羊などの家畜をタスマニアからメルボルンに持ち込まれた。ジーロンを中心としてビクトリア西部で生育された家畜は、当初はメルボルン郊外であった現在のビクトリア市場の辺りで売買や食肉処理が行われた。しかし1851年のゴールドラッシュで人口が爆発的に増え、食肉処理場を更に郊外へ移動させることが必要になった。
1851年には97000人の人口であったが、1855年頃には30万人、1861年には54万人になり、オーストラリアの人口の46%を占めるまでになった。

1850年代後半に、メルボルン市当局は牛の囲い場をビクトリア通りとエリザベス通りの交差点付近から郊外の田舎であったフレミントン地区へと移動させることを決定した。1856年にニューマーケット食肉販売所に土地が公売された。公売は、1858年に完了し、1859年に民間に売り出された。
鉄道のメルボルン-エッセンドン線が1870年代に延長されまた整備され、1888年頃までに年間50万頭の家畜がニューマーケットへ集められ、食肉処理されてビクトリア市場などで販売されていた。1900年頃には、世界最大の家畜オークション市場に成長した。

 家畜市場のすぐ裏手には当時はソルトウォーター川(現在のマリビノン川)があった。市場の最初の建物は1861年に建てられた。それ以前のメルボルン市食肉処理場はスミスフィールドのエプソム通りとウェストバーン通りとマリビノン川にに仕切られた場所にあり、57エーカーの広さであった。1856年8月30日にメルボルン市当局に植民地政府から割り当てられたものであった。メルボルン都心部に隣接する家畜販売マーケットは、長期的な観点からもビクトリア全体に寄与し、メルボルンでの消費と域外への輸出を可能にするものであった。



エプソム通り橋とその側道は1911年に建設された。設計はジョン・モナッシュの会社とMonier Pipe Construction Coであった。橋の建設は、家畜の処理が増えるにつれて食費肉処理場と販売市場の輸送量が増えた為に建設されたもの。しかし家畜輸送量の増加は、地域住民に不満をもたらしていた。販売市場と食肉処理場は、1985年に閉鎖された。その後は中産階級用の住宅地として再開発された。

初期の総合事務所は、1874年頃に建設され、販売市場跡に現存している。四角い平面プランに赤レンガの構造をしており、中央に開放地が設けてある。屋根はスレート葺きで、鋳物製の化粧材が施してある。事務棟の西側には、1911年から1919年に建設された増設棟がある。中央の開放地には1939年頃に建てられた時計台が立っている。ほとんどの家畜舎は1987年から88年に取り壊されたが、牛小屋のいくつかやフェンスなどが現存している。食肉処理場の唯一の現存している建物は、事務棟と検疫場、作業棟などの複合ビルである。1903年頃に建設され中央ゲートを持ち、スミスフィールド通りに面している。赤レンガの建物でエドワード時代のネオクラシカル様式の特徴を持っている。





ブルーストーンの舗装、家畜の移動ルート沿いの植物、ヤードなどが残っている。家畜ルートはブルーストーンで舗装されており、家畜が通る側道を経由して一般道路の下を通っている。
このトンネル道路は、食肉処理場から隣接する家畜ヤードへ更には、ホブソン通りの裏手へアクセスを可能にしている。設立されてから1980年代まで130年の間、メルボルンの第二次産業である食肉処理と物流を考える上で貴重な遺跡である。
1940年代まで処理場と販売市場は、世界最大の羊肉の施設であり、牛に関してはベスト3に入る施設であった。ビクトリアの牧畜産業の中で中心的な役割を果たしていた。

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ビクトリア博物館

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