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メルボルンの産業史

ジエイジ紙本社 The Age Headquarters

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2015年7月12日(日)
ジエイジ本社ビル  The Age Headquarters
スペンサー通り Spencer Stと
コリンズ通り Collins Stの交差点
メルボルン Melbourne
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ジエイジ紙本社ビル(通称メディアハウス)は、2009年に完成した。このビルには、3AWラジオ、豪州ファイナンシャルレビューなどが入居している。1854年にメルボルンで設立されたビクトリア州の地方紙。ジエイジの親会社はフェアファックスであり、グループ会社として全国紙のオーストラリアンファイナンシャルレビュー紙がある。

撮影データ Canon EOS 5D MarkU 絞り優先AE 評価測光 1/400 F8.0 ISO感度 100 オート 露出補正 JPG レンズ EF 24-70mm f/2.8L USM
2015年1月22日10:39 板屋雅博撮影


ジエイジ紙はメルボルンの3人のビジネスマン JohnとHenry Cooke兄弟、Walter Powellによって設立された。初版は1854年10月17日。しかし直ぐに失敗し1856年6月にオークションで売りに出された。買ったのはスコットランド移民でビジネスマンのエベネザー・シーム(Ebenezer Syme)と金属商でMcEwans & Co社の設立者であるJames McEwanが2000ポンドで購入した。ジエイジ紙の最初の発行は、1856年6月17日。メルボルンで最初の新聞は、1838年1月1日にメルボルンの創設者ジョンフォークナー(John Pascoe Fawkner)が設立したメルボルンアドバタイザー誌(Melbourne Advertizer)。これはガリ版刷りで10週間だけ発行された。同年には、The Port Phillip Gazette誌が発刊している。 ジエイジ紙はゴールドラッシュ期に創刊された全豪でも最古クラスの新聞である。

List of newspapers in Australia


 設立当時はジエイジ紙は、独立とリベラルを社の方針として、自由市民の権利拡張と商業における制限の撤廃と宗教の自由、個人の活動における公衆モラルの確立などを社是としていた。エベネザー・シームが1860年に他界し、弟のデービッドシーム(David Syme)が兄と McEwanの持分を買い取って、オーナー編集長となった。デービッドが社長となって直ぐにライバルのヘラルド社やアーガス紙を凌駕して、1890年には一日10万部を販売してジエイジ紙をビクトリア植民地でトップの新聞として、世界でも最も成功した新聞のひとつに育て上げた。デービッドの元でジエイジ紙は保守党の政治家を支持し政治的なパワーを持つようになった。メルボルン出身の豪州第二代首相アルフレッド・ディーキン(Alfred Deakin )はデービッドと出会ってジエイジ紙のジャーナリストとして成長して政治家になっている。

 デービッドは最初は自由主義者であったが、その後、保護主義となった。ビクトリア州は関税による保護のもとで製造業を発展させるべきと考えた。1890年代には豪州独立と連邦政府設立を主張すると同時に白豪主義を唱えた。1908年にデービッドが他界したあと、3人の息子が後を継いだ。デービッドは、シーム家の権利を守るために、持ち株の売却を一切禁じていた。結果として40年間に渡り新規投資を控えることになり、近代化が遅れて徐々にマーケットシェアを落としライバルのアーガス紙やタブロイドのサン紙に後れを取り、1940年代の発行部数は1900年代よりも少なくなってしまった。当然、政治的な影響力も低下していた。1942年にデービッドの3番目の息子のオズワルドが社主になり、その後、大幅な改革を実行し、1957年にアーガス紙が閉刊された際には大きく部数を伸ばした。

 1966年、オズワルドの孫のレナルド・マクドナルドが社主の時に、シドニーモーニングヘラルド紙を経営していたフェアファックス社が少数の株式を取得した。1983年にフェアファックス社は全ての株式を取得して、ジエイジ紙を傘下に置いた。
フェアファックス社の創始者ジョンフェアファックス(John Fairfax )は1838年にほとんど無一文で妻と3人の子供たち家族と共にシドニーへ移民した。出版界の仲間に恵まれ、1841年にヘラルド紙を仲間と共に買収している。その後、フェアファックス社は、ジョンの息子たちによって順調に発展したが、1990年代にフェアファックス家族は経営からは離れ、会社名をフェアファックスメディアと変えた。


 ジエイジ本社ビル The Age headquarters
設計:Bates Smart 事務所
建築: Grocon
建築費:1.1億ドル
完成:2009年10月
入居者:ジエイジ The Age
フェアファックス社:1400名
入居者:3AW ラジオ局, フェアファックス・デジタル、 オーストラリアンファイナンシャルレビュー紙
現在の編集長:アンドリュー・ホールデン Andrew Holden

Wikipedia

The Age 公式Web

 ジエイジ紙のロゴや紋章(マストヘッド)は、創立の1854年以来、何度か変更されている。当初はビクトリア植民地の紋章が入っていたが、1856年に取り除かれ、英国王室の紋章(he Royal coat of arms of the United Kingdom)が加えられた。1967年に楯とライオンが加えられた。1997年にロゴはボールドになり、青いボックスに入れられた。現在のデザインは2002年に変更されたものである。ジエイジ紙のアートディレクターによると英国王室の紋章を取り入れた経緯はわかっていないが、当時、ビクトリアは英国の植民地であり、本国との繋がりを保つ為と推測されると説明している。


  豪州最大のメディアになったフェアファックス社だが、最大のライバルは、米国News Corpを率いるるルパートマードック(Rupert Murdoch)が所有する全国紙The Ausralianである。メルボルンの地元紙ジエイジがシドニーのフェアファックス社に経営され、シドニーに本社を置く全国紙ジオーストラリアン紙がメルボルン出身のルパートマードックが支配しているのは皮肉な話である。

ジエイジ紙は2003年にメルボルン空港の近くに印刷センターを開設。コリンズ通りの本社ビルは2009年にオープンした。

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