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ドラモンドテラス Drummond Terrace

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2015年5月6日(水)
ドラモンドテラス Drummond Terrace
カールトン Carlton
メルボルン Melbourne
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カールトンのドラモンド通りにメルボルンでは珍しい3階建てのテラスアパートメントがある。メルボルンの建築ブーム期に建てられた傑作建築物である。

撮影データ Canon EOS 5D MarkU 絞り優先AE 評価測光 絞りF7.1 1/500秒 ISO感度 200 露出補正 オート JPG レンズ EF 24-70 mm f/2.8L USM 2014年1月14日8:12 板屋雅博 撮影

ドラモンドテラス Drummond Terrace
住所: 93-105 Drummond Street Carlton
建築年:1890年から1891年
建築期:ビクトリアン
建築家:ウォルター・スコット・ロー
Walter Scott Law
建築様式:アカデミック・クラシカル
Academic Classical
建築目的と現在の用途:住居、住居
階数:3階
住居ユニット数:7戸

Walking Melbourne

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 ドラモンドテラスアパートメントを建てたのはオーナーであり建築家のウォルター・スコット・ロー( Walter Scott Law)である。
ローはドラモンドテラスの所有者ではあったが、自身ではドラモンドテラスに住むことはなかった。アパートとして賃貸に出した。ローは思い切った新機軸としてドラモンドテラスを設計した。デザインは、メルボルンの建築ブーム期に流行ったクラシカル様式を採用している。
総戸数は7戸で3つのアーチがあるベイ・ベランダがひとつのユニットとなっている。3階建ての化粧煉瓦構造で3つのアーチがあるベイがアーケードとしてドラモンド通りに沿って並ぶ独特の設計である。2階と3階のアーケードは欄干が付けられている。

 ドラモンドテラスは1〜3階まで同様にアーチ構造とまぐさ式構造(trabeation)を持ち中央の1ユニットを中心として、右ウィングと左ウィングが左右対称に設計されている。
ドラモンドテラスは3階建てで雄大な構造を持ちメルボルンでは最長のテラスを持っており、建築史の中でも重要である。アーケード構造を繰り返すのは装飾的には非常に簡素であるが、メルボルンの建築ブーム期には良くみられるデザインである。この時期のテラスアパートには鋳物の装飾を持った建物が多いがドラモンドテラスにはそれが無い。
独特のデザインを持つドラモンドテラスはカールトンのこの地区を代表する建物であり、3階建てのテラスアパートメント自体がメルボルンではたいへんユニークである。建築家のWalter Scott Law はドラモンド通り48番地の通称ベンベヌタ邸(Benvenuta)も設計している。


 ウォルター・スコット・ローは1852年に英国イングランドのパディントンで生まれて1869年にメルボルンに移民してきた。(1860年生まれの話もある。)ローは同世代のジョセフリードやJJクラークらの若い才能あふれた建築家と交流して、1880年代のメルボルンの建築ブーム期にネオクラシカル様式の建築物をたくさん建築している。1895年頃に建築ブームが終わるとローと妻のCzarina、4人の子供は南アフリカ国へ引っ越しした。それ以降は音信不通となった。

ローの多くの作品の中でも傑作とされているのが共にドラモンド通りにあるドラモンドテラスとベンベヌタ邸である。カールトンにローの作品が多いのは1880年代の好景気時代にカールトンで財力を溜め込んだイタリア系の顧客が多かったためである。

CAPE-TOWN-L Archives

Chas Spain

 ウォルター・スコット・ローの主な作品

Biltmore 1887 152 Bridport Street Albert Park
Medley Hall 1892 44 Drummond St
Rosaville 46 Drummond Street

メルボルンの建築物 1890−1899

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