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建築家 ハリーノリス
メルボルンの建築史1920-29
2016年3月21日(月） ケローフォークナー自動車ショールーム Kellow Falkiner Showrooms セントキルダ通り St Kilda Streetメルボルン Melbourne この場所の地図Google Map セントキルダ通りのメルボルングラマー高校の隣に独特の形状をした建物がある。現在はロイスホテルという高級ブティックホテルになっている。豪州最初の自動車輸入商であり、自動車愛好家のチャールズ・ケローが作ったショールームであった。豪州自動車産業の初期のショールームである。 撮影データ Canon EOS 5D MarkⅡ 絞り優先AE 評価測光 1/250 F9.0 ISO感度 100 太陽光 露出補正 JPG レンズ EF 24-70mm f/2.8L USM 2016年1月17日17:20 板屋雅博撮影 Kellow Falkiner Showrooms ケローフォークナーショールーム Kellow Falkiner Showroom 住所：379 St Kilda Road 建設年：１９２８年 建築期：両大戦期 Interwar 建築家：ハリーノリス Harry A Norris 建築様式：Spanish Mission style 施主：チャールズ・ケロー Charles Kellow チャールズケロー (豪州伝記集） ケローフォークナーショールームは、豪州初期の自動車愛好家で自動車販売業者のチャールズ・ケローが１９２８年に建築した。この魅力的な建物の設計は、当時の売れっ子建築家ハリーノリスである。建材は、鋼材、煉瓦、コンクリートと最新の材料を使い、化粧材として柱には陶器タイルを貼っている。フリーズ（天井のすぐ下の壁の、帯状の装飾）、リンテル（まぐさ石：２つの支柱の上に水平に渡されたブロック）、窓枠の装飾、machicolation （突き出し狭間：壁の上の出っ張り部分）などの装飾が施されている。最大の特徴は大きなガラス製のディスプレー用のショーウィンドウである。 ショールームの北側（写真の右側）には、メルボルングラマー高校の校庭である。 メルボルングラマー高校 ケローフォークナーショールームは、ビクトリア州における初期の自動車の普及と自動車販売業の拡大を示す重要な産業遺産である。チャールズ・ケローはケローフォークナー社の社長でオーストラリアの最初のモータリストのひとりであった。またチャールズが社長と務めるケロー自動車会社は、オーストラリアで最初の自動車販売会社、ディーラーのひとつであった。チャールズ・ケローは１９０７年に会社を設立した。ケロー自動車会社は、英国、米国の豪州に於ける有力な輸入販売業者となった。セントキルダ通り沿いの一等地で目立つ場所に立地し、豪華な建物を建設して良く目立つショールームを設置したことは、ケロー自動車会社が既に有力な自動車販売業界において有力な企業であり、自動車購入層が当時、既に社会の上層部、富裕者層であったことを物語る。 ケローフォークナーショールームは、自動車展示用ショールームという明確な目的を持って設計された当時著名な建築家ハリーノリスの代表的な設計である。建築材料や装飾に当時の最新の技術や材料を使用している。ショールームの建設当時、自動車は現在では考えられないほど高価な商品であった。このため、建築様式はスパニッシュミッション様式というユニークな様式を採用している。その後、１９２０年代後半には新車の展示ショールームやサービスステーションには同様式に標準として採用された。豪華なスパニッシュミッション様式は、華やかなハリウッドや映画スターを思い起こさせる事を意図していた。メルボルンの最高級富裕層が次々と訪れるケローフォークナーショールームは、即ち最高級サロンでもあった。そのような場所に相応しい建築様式としてスパニッシュミッション様式が採用されている。
ケローフォークナーショールームは、第二次大戦まで自動車の展示用に第二次大戦まで使用していた。大戦時には内部を改装してセントキルダ道路沿いに配置されていた国防軍の一部隊である空軍が宿舎として使用した。戦後の１９５２年にビクトリア州電力局（State Electricity Commission）が使用し１９７０年代には民間航空管理局が入居していた。 ケローフォークナーショールームは、現在は高級ブティックホテルとなっている。 ロイスホテル（Royce Hotel） 建築家ハリーノリスは第一次と第二次大戦の中間期のメルボルンの著名な建築家であった。 ハリーノリスの設計した建築物は１９２０年代初頭から始まり顧客の要望に応じてビクトリア州各地で商業建築物を設計している。ハリーノリスは最新材料であったWunderlich社の建築用陶器タイルをメルボルンで最初に使用した。Wunderlich社ではケローフォークナーショールームで彼らの製品が使用されたことを非常に誇りに思って会社のパンフレットにケローフォークナーショールームを載せている。 Wunderlich社のタイルはユールハウスにも使用されている。 ユールハウス このページのトップへ
2016年3月21日(月）
ケローフォークナーショールーム
ケローフォークナーショールームは、豪州初期の自動車愛好家で自動車販売業者のチャールズ・ケローが１９２８年に建築した。この魅力的な建物の設計は、当時の売れっ子建築家ハリーノリスである。建材は、鋼材、煉瓦、コンクリートと最新の材料を使い、化粧材として柱には陶器タイルを貼っている。フリーズ（天井のすぐ下の壁の、帯状の装飾）、リンテル（まぐさ石：２つの支柱の上に水平に渡されたブロック）、窓枠の装飾、machicolation
（突き出し狭間：壁の上の出っ張り部分）などの装飾が施されている。最大の特徴は大きなガラス製のディスプレー用のショーウィンドウである。
ケローフォークナーショールームは、ビクトリア州における初期の自動車の普及と自動車販売業の拡大を示す重要な産業遺産である。チャールズ・ケローはケローフォークナー社の社長でオーストラリアの最初のモータリストのひとりであった。またチャールズが社長と務めるケロー自動車会社は、オーストラリアで最初の自動車販売会社、ディーラーのひとつであった。チャールズ・ケローは１９０７年に会社を設立した。ケロー自動車会社は、英国、米国の豪州に於ける有力な輸入販売業者となった。
ケローフォークナーショールームは、自動車展示用ショールームという明確な目的を持って設計された当時著名な建築家ハリーノリスの代表的な設計である。建築材料や装飾に当時の最新の技術や材料を使用している。ショールームの建設当時、自動車は現在では考えられないほど高価な商品であった。このため、建築様式はスパニッシュミッション様式というユニークな様式を採用している。その後、１９２０年代後半には新車の展示ショールームやサービスステーションには同様式に標準として採用された。豪華なスパニッシュミッション様式は、華やかなハリウッドや映画スターを思い起こさせる事を意図していた。メルボルンの最高級富裕層が次々と訪れるケローフォークナーショールームは、即ち最高級サロンでもあった。そのような場所に相応しい建築様式としてスパニッシュミッション様式が採用されている。
ケローフォークナーショールームは、第二次大戦まで自動車の展示用に第二次大戦まで使用していた。大戦時には内部を改装してセントキルダ道路沿いに配置されていた国防軍の一部隊である空軍が宿舎として使用した。戦後の１９５２年にビクトリア州電力局（State
Electricity Commission）が使用し１９７０年代には民間航空管理局が入居していた。
建築家ハリーノリスは第一次と第二次大戦の中間期のメルボルンの著名な建築家であった。